ありがとう

法句経(ほっくきょう)は最も古い部類の経典であり、

釈迦の言葉がそのまま残っていると言われている詩集です。

その中に「人の生を享くるは難く やがて死すべきもの 今いのちあるは 有り難し」

とあり、「人としての生を受けるなんて、本当に難しいものなのです、

せっかく人として生まれてもすぐに死んでしまうもの、

今この命があるということは、普通では有り得ないことなのですよ」

という意味になります。

私達が今この人間の姿でこうして生きていることが簡単なことではなくて、

あり得ないご縁の組み合わせで出来ているのです。

くびき

涅槃経(ねはんきょう)という経典には「盲亀浮木」(もうきふぼく)という話があります。

大海にくびき(穴の開いた木)が浮かんでいて、風の吹くまま、潮に流されるまま漂っていて、

100年に一度息をするために浮かび上がる盲目の亀がいると、

その盲目の亀もまた大海を彷徨っていて、100年に一度だけ浮かび上がるのですが、

果たして浮かび上がった時にくびきの中に頭が入るかという問いがあります。

盲目の亀ですから、穴の中を狙うことも出来ませんし、

今どこにいるのかも分かりません。

これは確率的に無理だと思うのですが、このとんでもない確率と同じ確率で

今私達は人間の姿をしてここにいるのだと。

私達も大海を彷徨う盲目の亀と同じであり、

彷徨うばかりしているのに、天からのご好意で偶然たまたま人間の命を与えられたと、

これは実にありがい、ありがたい、ありがたい…

「ありがとう」は立派なお経なんです。

声を出して唱えれば効果抜群です、人に言っても効果抜群です。

お経だと思って、修行だと思って唱えてみてください。

何回ぐらい唱えればいいかって?

少なくとも1万回かな、出来れば100万回は唱えましょう、

100万巻唱えると人間が変わります、仏様になれるかもしれません。