都会で生活していますと、火というものに直接かかわることが少ないですね。
私の所では冬の暖房は石油ファンヒーターで、
スイッチを押したら勝手に点いてくれて、確かに温かい風がどんどん出てくるのですが、
そういえば火が見えないですね。
よく見てみると、温風の出口のすき間から少しだけ見えています。
温かくしてくれている主役の火が、こんなに小さく閉じ込められているせいで、
火の恩恵を感じることなく温かく過ごしているのは、ちょっと罪悪感を感じます。
そういえば高野山大学に通っている時のことですけれど、
高野山の中腹の神谷という所に下宿させて頂いてましたが、
そこは以前に旅館だった屋敷で、風呂も台所もマキを焚くようになっており、
大学から帰って風呂を焚き、かまどでご飯を作るだけで
あっという間に一日が終わっていました。
焚き物は、高野山の木札を作る工場から無料でもらってきていました。
でもあの頃は毎日メラメラと燃える火を見ていて、
とても落ち着いた穏やかな日々が過ごせておりました。
今では大きな火とご対面するのは、お焚き上げの時ぐらいなものでしょうか。
火にはいろんな効用があるのですが、また次回にでも書かせて頂きます。