お釈迦様の仏教を実践する僧侶は本来欲を離れて超越すべきなのですが、
意外と僧侶の方が俗世間の人よりより良い物をより多く持っていて、
所謂「欲の固まり」となってしまっている方が多いのが現状です。
私に関しては仕事の物はたくさんありますが、自分の物は何もない状態で、
例えば車も3台ありますが、全て仕事用に寄付した車です。
鍵は皆が使える所に置いてあり、お借りしているという感じです。
同じ敷地内に自宅がありますが、自分の部屋はありません。
私が大切にしているものは、写真で身に付けている緑の衣で、
お師匠さんから頂いたものですから、大変に念の入っているもので、
とても貴重な物であり、誰か弟子になるような人がいれば
次の人に渡すようなものであり、決して捨てる訳にはいきません。
私達は物質に囲まれて生活していると、
知らない内にどんどん物が増えていく定めであり、欲のなせる業なのですが、
どんどん増えていくと生活が豊かになって、
新しい物を買ってはどこに置こうかと考えるのが楽しみなんですが、
あまりに増えすぎると、ついには置き場所が無くなってしまって、
新しい物が買えなくなるという悲劇が起こるのです。
こういう時に断捨離という実に有難い言葉があるのですが、
次の新しい物を買うための断捨離では欲望文明の繰り返しであり、
本当に良い物をいつまでも大切に使うということが大切になってくるのです。
捨てるにしても、惜しげも無く捨てられるものは、最初から買わないことですね。
どうしようかと悩むぐらいのものにしておかないといけません。
また、思い出の詰まった物や人からの頂き物で、ゴミとして捨てられない物って
結構あるものですが、そういったものは可燃物なら、
可能であれば自分で燃やせばよろしいのですが、
最近は野焼き禁止の所が多く、火を焚いて煙を出していたら通報されてしまいます。
こういった時にお焚き上げというものを利用するのも良いかと思います。
物にこもった気持ちを彷徨せることなく、浄化する理想の方法ですね。