祖霊供養とは

祖霊供養

祖霊供養とは祖先の霊を供養するお盆や彼岸の行事のことですが、決められた日ではない日に行う祖先の供養のことも含めた行事のことです。

祖霊は私達を守っている

亡き人たちが生きていた時代は今の時代と比べたら、どの時代であっても大変な時代ばかりでした。

今の時代はお金さえ持っていれば深夜にでも暖かい食べ物を買って食べることが出来ますし、喉が渇いたからと言って沢まで水を汲みに行くようなことをしなくとも、水道の蛇口を捻れば水が出てきますし、24時間空いているコンビニに行けば世界中のミネラルウォーターだって買うことが出来るのです。

こんな時代に生まれたら物に囲まれて不自由の無い生活が当たり前のように思えてきますが、百年、二百年前の時代には夜になれば何処でも真っ暗なのは当たり前のことだったのです。

更に時代をさかのぼれば、私達の祖先は何日も食べ物を食べていない、病気や怪我をしても手当てをする所が無い、などで苦しい日々を送っていたのです。

子供が生まれてもすぐに死んでいき、病気が流行れば立ち向かう術もなく死んでいく、そういう頃には平均寿命が30歳という時代の方がむしろ長かったのです。

生きるということのみに必死で立ち向かい、自分達の命が短い分、子供に未来を託すということは生物としての本能であり、たとえ自分達が苦労したとしても、子や孫にだけは幸せになってもらいたいと願う気持ちがあるからこそ、人類は何回もの絶滅の危機を乗り越えて今につながっているのです。

そういって全ての祖霊たちは私達のことを応援し、更に未来につながっていくことを望んでおられるのです。

魂の声を聞く

私達の体の中には自らの魂と先祖からDNAのような形で受け継いだ魂が存在しています。

普段は魂の声というものは聞こえませんが、よく耳を澄ませば、或いは心の中を観察してみれば必ず魂の声が聞こえてくるはずです。

魂は綺麗な状態を好みますので欲望が渦巻くような場所では見たり聞いたりすることが出来ません。

日常のゴタゴタから離れてみて、耳をすませば良いのです。

魂の声を聞いてみましょう。

祖霊供養とは感謝すること

祖霊供養とは祖霊に対して感謝することで、自分の体を与えて下さった、そして今ここに居るという御縁を下さった祖霊に対して感謝をすることなのです。

神仏やご先祖様に対して何かするとしたら、読経でも写経でも修行でも構いませんが、心の中が欲望に渦巻いていたらすぐに功徳がかき消されてしまいます。

感謝の心で「有難う御座います」の素直な気持ちになりさえすれば、それだけで立派な修行になりますし、どんな修行をしても優れた効果が現れるのです。

祖霊供養は勤行と共に

やすらか庵ではお盆の時に祖霊供養を行いますが、無縁の方の供養も行っています。

子孫の者が絶えてしまって帰るべき所の無い精霊が近年は増えていますので、そういった精霊に対しての供養です。

或いはやすらか庵での散骨供養墓じまい供養を利用された方に関する有縁無縁の諸精霊に対してのお盆の迎え火供養で御座います。

神仏や先祖は火を目印に上から降りてくるのです。

毎朝のお勤めでは必ず供養の読経をしていますが、世間ではお盆ですので、こういった行事も必要ではないかと始めた次第です。

毎朝勤行をされている方でしたら、勤行の最後に「○○家先祖代々諸精霊の増進仏果菩提のため」と付け加えれば祖霊供養が出来ます。