函量所地獄(かんりょうしょじごく)は、軽量を不正に行い、暴利を貪った者が堕ちる地獄です。この地獄で罪人は三つ目の老婆の鬼に監視されながら熱い鉄の火の炭を計らされ続けるのです。
燃え盛るものを手に持って計らされること、監視され続けていることは耐え難い苦しみなのです。
商売に於いて悪知恵というものは誰もが思いつくもので、中身を誤魔化したり、量を減らしたり、薄めたり、底を上げたりの不正は今も昔も同じように行われているのです。
誤魔化す、騙すという行為は、誰にも見られていないから大丈夫だとか、分からなければ良いと思っていたら、死後はこういう地獄が待っているのです。(奈良国立博物館 地獄草紙 原家本)