城郭や屋敷に於ける門の役割は外敵の侵入を防ぎ、安全な空間を作り出すことで、門には扉があって開閉できるようになっていて、いざという時には扉を閉めて鍵を掛ければ安全が確保されるようになっています。
外敵と言っても泥棒や盗賊などの目に見える敵から貧乏神、疫病神などの目に見えない神までが屋敷の中を狙っている訳で、門には昔から狛犬や獅子、仁王像などが外に対して睨みを効かせているのです。
門から屋敷の中に入る時の作法は「ただいま」の声を出すことです、「只今帰りました」という意味で、中の人に対しての挨拶と、門を護る神に対しての挨拶、そして外に対しての厄払いの効果があるのです。
毘沙門天は東西南北、四方の中でも北方を守護し、睨みを効かせており、毘沙門天をお祀りしている家では門の守り神にもなります。
最近は門のある家がほとんどありませんが、門が無ければ玄関が門の役割をします。帰る時には必ず大きな声で「ただいま」と言うことにより、単純な事ではありますが、意外と家運が開けてくるのです。