灌仏会

4月8日は釈迦の誕生を祝う日で花まつり、甘茶祭りとも言われ、寺院では様々な花で飾った花御堂の中に灌仏桶を安置してその中央に誕生仏を祀り、柄杓で甘茶を掛けて祝います。

花で飾るのは釈迦が生まれた時に天女が花を散らしたという伝説により、また甘茶を掛けるのは産湯を使わせるために9つの龍が天から清浄の水を注いだとの伝説によります。

今から三千年程も前に生まれた方の誕生日を祝うなんて、よく考えるとすごいことです。

釈迦の時代にはまだ教えを文字で残す経典というものがありませんでしたので、その教えは口伝と言って口伝えに伝えられたのですが、釈迦の説法は弟子によって記憶され、次の人にまた伝えていくという時代だったのです。

そのような時代を経て仏教が現代まで残っているということは多くの人が関わって、何としてでも後世に残したいという情熱があったからなのです。

それほど正しい教えというものは今も昔も多くの人を動かす原動力なのです。

釈迦の誕生はクリスマスのように盛大に祝う事はありませんが、生まれる事と生きることの大切さを静かに考える機会にしたいものです。

コロナウイルスの災難が早く終息いたしますように。