肺に白い影

肺炎の白い影

新型コロナの変異株は猛暑の真夏でも猛威を振るっていて、タレントの野々村真さんもコロナに感染してやっとの思いで入院したものの、一時は両方の肺が真っ白になるほどの重症だったそうです。

肺炎の時

肺炎の時

新型コロナウイルスに感染しますと軽症のうちは咳や発熱、だるさなどの風邪と同じような症状が出て、嗅覚や味覚に変化が起こるという報告もありますが、感染しても無症状の人がいます。

しかし感染後に重症化すると肺炎の症状になって、乾いた咳が激しく出る、息苦しいなどの症状となり、自分で呼吸することが困難にな場合には人工呼吸器が必要になります。

こういった時にレントゲンを撮りますと肺の部分が真っ白になることがあるのです。

白い影の理由

肺胞の仕組み

私達の肺には新鮮な酸素を取り込んで血液を通して体内に送り、二酸化炭素を体外に吐き出すという大きな目的がありますが、鼻や口から取り入れられた空気が肺に到達するまでには鼻、口→気管→気管支→肺の順に通り、肺炎は肺に炎症が起こった状態なのです。

肺の末端には直径数百ミクロンの肺胞という組織があって毛細血管が張り巡らされ、酸素を取り込んだり二酸化炭素を排出したりしているのですが、肺胞が炎症を起こすと本来は空気で満たされているはずの肺胞に水が溜まるようになり、その結果として黒く写るはずの肺が白く写るのです。

肺炎の症状

肺炎になって肺胞に水が溜まれば、体の中に新鮮な酸素を取り込むことが出来なくなるので、息が出来ない状態になり、当然息苦しくなるのです。

私達は普段全く意識していなくても呼吸が行われていて、体中に新鮮な酸素を送り届けてくれているのですが、もし正常な呼吸が出来なくなったら、それは本当に苦しいことで、死ぬかもしれないという恐怖観に支配され、生きている一瞬一瞬が苦痛の連続になってしまいます。

呼吸が苦しい、死ぬかもしれないと思った、これは新型コロナで重症化して治癒した人が一様に体験したことなのです。

肺の状態をチェックするには

肺の状態が正常であるかどうかを見極めるには「パルスオキシメーター」が有効です。

パルスオキシメーターとは

パルスオキシメーター

パルスオキシメーターとはスイッチを入れて指をはさむだけで体の血液の酸素飽和度の数値が出る機械のことです。

インターネットで1万円前後で売られていて、簡単に買うことが出来て、大抵は脈拍と血液の酸素飽和度の数値の二つの数値が出るようになっています。

これを毎日チェックししていれば血中に酸素が足りているのかどうかが分かるようになります。

数値について

機械の性能にもよりますが、数値が96以上だと正常で、野々村真さんの場合7月30日にPCR検査を受けて陽性が判明して自宅療養していたが、8月4日には血中酸素飽和度の数値が「90」まで下がったそうです。

その時に救急搬送されたが、病院で「96」まで回復したため、入院は見送っていたところ再び数値が下がったので入院となったそうです。

酸素について

ところで皆さん、普段何気なく呼吸できていることを当たり前だと思っていませんか?

近年では世界的なCO2の排出、森林の大規模伐採、大規模森林火災などで作られる酸素が減って、二酸化炭素の量は増えているのです。

オーストラリアで2019年から2020年にかけて発生した大規模森林火災では日本の本州の半分程度の面積が消失して建物被害は約6千棟、死者29人、そしてコアラを始めとしたたくさんの野生動物たちも被害に遭いました。

この時の消失では煙による健康被害も報告され、酸素の消失と二酸化炭素の増加による影響は計り知れません。

水が限りある資源となって、世界中で争奪戦が繰り広げられていますが、空気中の酸素濃度もどんどん減ってきているのです。

そのうち酸素もまた世界中で争奪戦が繰り広げられるかもしれません。

呼吸について

普段は当たり前に行われている呼吸ですが、体の中で私達のために命を捧げながら一生懸命に働き続けている細胞の一つ一つは何一つ文句も言わずに働き続けてくれていて、ただ見えないから意識しないだけですが、この細胞が働き続けている事実を見せられますとショックですよ。

今こそ仏教の修行をしよう、写経はいいですよ、呼吸法もあります

細胞の一つ一つに対して本当は心の底から感謝しないといけない事であり、自らの身体の中には、ただひたすらに働き続けて命を捧げている細胞があるという事実を感じましょう。

私達は外に出れなくなったからとか、遊べないからなどで不平不満を口にしてしまいますが、そうしている間にも命を捧げ続けてくれている自らの身体の中の細胞は文句も言わずに働き続けてくれている、実に有難いことなのです。

ありがとうは仏教用語である

命に感謝とは自らの命に感謝することです。