屎糞所地獄

地獄は生前に罪を犯した者が罪を償う所であり、綺麗も汚いもないけれど、屎糞所地獄(しふんしょじごく)は、「心愚かで、不浄のものを浄と思い、浄いものを不浄と思い、仏法に出会っても三宝(仏法僧)を敬わない者が落ちる地獄」です。汚い、臭い環境で虫に喰われる苦しみが延々と続きます。

仏法では美しい女の人であってもそれはわずかの時間の仮の姿で、歳を取ればしわくちゃの婆さんになってしまうし、死にもする、そんなものに夢中になるよりも、いつまでも変わらない心の平安である仏法を大切にしなさいよと説きます。(奈良国立博物館 地獄草紙 原家本)