人形代とは

人形代のイラスト

人形代(ひとかたしろ)とは人の形に切った和紙のことで、人の代りに罪や穢れを吸い取らせ、川や海に流して罪や穢れを浄化します。

人形代の形について

人形代のイラスト

人形代は人間の形を模したもので木や紙で作り、霊や魂などが憑りつく依り代(よりしろ)となります。

実際の人形代にはいろんな形と種類がありますが、どれも人の形をしていることは同じですが、神社で頒布しているものには犬や猫、車の形をした形代もあります。

基本的に厄を払いたい動物、或いは車などを模した形を切り抜いたものが形代になります。

人形代の材質について

説明のイラスト

人形代は木片か和紙、茅萱(ちがや)などで作られ、和紙の場合にはハサミなどで切り抜くことになります。

人形代の材質が木か紙茅萱(ちがや)なのは依り代として機能するためで、神仏や祖先の霊などが天から降りてくるための目標物である依り代は大木や巨岩などの自然物であることから、自然由来の物が選ばれるのです。

人形代は和紙で作られたものが一般的ですが、それは加工するのが比較的簡単で、同じものをたくさん作ることが出来るからなのです。

人形代の使い方

人形代のイラスト

人形代には自分の名前と年齢、生年月日などを書いてから息を吹きかけるか、体の悪い部分を撫でた後に川や海に流します。

息を吹きかけるのは体の中の悪い気を取り除いてもらうためで、病気の箇所が正確に分からない、精神的な病気に苦しんでいるなどの時に息を吹きかけます。

体の悪い部分を撫でるのは病気の部分を取り除いてもらうためであり、具体的に悪い部分がある場合には念入りに撫でてみましょう。

川や海に流す場合にはなるべく自然環境に配慮して水に溶ける紙である水溶性紙を利用しましょう。

不要になった人形代の処分

僧侶の説明のイラスト

人形代は人の罪や穢れを取って川や海に流すものですから、最後は水に流すものですけれど、罪や穢れを取り除いて浄化するという意味では水に流す方法の他に火で燃やすという方法も有るのです。

もし大量の人形代が遺品整理の時に見つかったら、燃えるゴミに出して構いませんが、粗末になってしまうことにためらいを感じるのでしたらお焚き上げ供養を利用しましょう。

普通の紙で出来ている人形代を大量に川に流したりしますと、すぐには分解されずに結構紙の形を保持したままで流れていきますし、何時までも岩に引っ掛かっていたりしますので、環境に対しての罪悪感を感じてしまいます。

もちろん水溶性の紙であれば川や海に流しても構いません。