依り代とは

依り代とは

大木や巨岩、山などに神が降りてきて憑りつく対象のことを依り代と言い、ご神体として崇められます。

依り代の歴史

狩猟採集が行われていた旧石器時代から私達の祖先は大自然のあらゆるものに霊や魂が宿っていて、安定した食料の確保や再生を願って祭祀が行われていました。

大自然のあらゆるものに霊や魂が宿るという自然崇拝、アニミズムは特に大きな木や岩、山に神が降りて来るという信仰に結び付き、巨木や巨岩をご神体として祀る信仰に繋がりました。

しめ縄を張った巨木をご神木と言い、しめ縄を張った巨岩を磐座(いわくら)と言い、今でもご神体として大切に祀られています。

依り代の様々な形

依り代は大木、巨岩、山などの他に神社や祠、神棚に至るまで様々な場所にあり、神前に手向ける榊、しめ縄、御幣、歳神を迎えるための門松も依り代です。

更には寺社で頒布している御札やお守りも依り代になります。

人が依り代となる場合には巫(かんなぎ)と言われ、卑弥呼は祈祷師としての巫女として国を動かす政(まつりごと)を行っていました。

神の依り代

神が天から降りて来る依り代としては神社、ご神木、磐座、祠、神棚、御札などで、天照大神を始めとした国造りの神や土地の神、産土神などの八百万の神々の依り代となります。

仏の依り代

仏菩薩などの仏が天から降りて来る依り代としては寺院、仏像、仏壇、御札などで、仏、菩薩、明王、天などの依り代となります。

先祖の依り代

亡き人やご先祖が天から降りて来る依り代としてはお墓と仏壇、位牌で、人に降りて来る場合は恐山のイタコに憑くことが有名です。

先祖の依り代である位牌は人が亡くなる毎に新しく作り、その際には開眼供養を行います。

開眼供養について詳しく…開眼供養とは

モノの依り代

長く使われた古い道具に魂が宿るとされ、モノも成仏すると説き、付喪神(つくもがみ)の信仰が根付きました。

モノを大事に使い感謝の気持ちを持つことは、何時の時代に於いても大切な事です。

モノを長く使えば魂が宿る…付喪神とは

位牌に亡き人の霊が籠ったり、仏像に神仏の魂が籠ったりすることから、モノに霊や魂が籠ることに抵抗がなく、写真や絵画、人形などに思いが籠ったりすると考えられています。

亡き人が大切にしていた物に気持ちが籠っているから、天に届けて差し上げるというお焚き上げ供養を利用する人が多いこともまた、現代に於いてモノが依り代になっているという証なのです。

開眼と閉眼

仏像は礼拝の対象として新しく出来た時には仏の魂を入れる開眼供養の儀式を行い、修理、解体、移転する時などには仏の魂を抜く閉眼供養をします。

開眼供養の意味や歴史などを解説…開眼供養とは

大仏の開眼供養では慶事として盛大に祝う行事になります。

大自然と依り代

真言密教や山伏の教義には山川草木悉皆成仏という思想があり、大自然に満ち溢れるエネルギーを身に付けて宇宙と一体になるための修行を行っているのです。

依り代とは神仏の魂や霊が自然の中にあって、それを自ら取り込み、自らも大宇宙の大いなるエネルギーの依り代になることで大日如来との一体化である入我々入(にゅうががにゅう)の境地を目指すのです。