長生きと長息

健康で長生きすることは人類共通の願いであり、昔から不老長寿の方法は研究され続け、様々な修行法や食事法などが編み出されてきましたが、それでも老病死の壁を乗り越えることは困難で、これからの時代でも永遠のテーマとしてあり続けることでしょう。

福島県立医科大学の森一教授が報告された「1980年~82年における10種の職業集団の平均死亡年齢と死因に関する調査」によりますと平均寿命が長い職業の第一位は僧侶(宗教家)だったそうです。

因みに第二位は実業家で、第三位は政治家だったそうですが、どの職業も定年が無く、しっかりした考えを持ち、食事や健康には気を使っているような印象を受けます。

さて長寿第一位の僧侶は、70歳80歳は鼻垂れ小僧、90歳で一人前と言われる世界ですが、僧侶の長生きの秘訣の一つは読経することであり、毎日読経を続けることなのです。

読経する時には腹式呼吸で大きく息を吸って腹に貯め、その息を少しずつ吐きながら大きな声で詠みますが、この方法には腹式呼吸と長く息を吐くこと、そして大きな声という長生きの秘訣が含まれているのです。

お経は腹から声を出せと言われますが、これを毎日繰り返すことがとても大切な事なのです。

最近では都会の僧侶はとても短命になっていますが、これは全く修行をしない事、車ばかり使って足を使わない事、贅沢な食事ばかりすることなどが原因です。

昔からある仏教の修行法には長生きの秘訣が含まれていますが、これは少しでも長く修行できるように、との思いで先人達が必死の修行で得た智慧の集積なのです。

短いお経や真言でも構いませんので、この方法で毎日唱えることを続ければ、きっと元気で長生きの力になることでしょう。