仏説阿弥陀経とは

極楽浄土

仏説阿弥陀経は大乗仏教経典の一つであり、サンスクリット語でスカーヴァティー・ヴィユーハ(Sukhāvatī-vyūha)と言い、「極楽の荘厳」という意味で、極楽浄土の様子を弟子の質問に答えるのではなくて、仏説と言うことで釈迦が語り掛ける形式で説かれています。

仏説阿弥陀経の成立

浄土宗や浄土真宗で根本経典となっている「浄土三部経」は「仏説無量寿経」「仏説観無量寿経」「仏説阿弥陀経」の三つの経典のことですが、その中でも「仏説阿弥陀経」には極楽浄土についての様相が詳しく説かれています。

「仏説阿弥陀経」は1世紀頃に成立されたとされ、サンスクリット原典、漢訳、チベット訳が存在し、我が国では鳩摩羅什訳の「仏説阿弥陀経」がよく知られています。

「仏説阿弥陀経」によると、この世界から西方十万憶の仏国土を過ぎたところに阿弥陀如来の居られる仏国土の「極楽」があって、そこで阿弥陀如来が法を説いているとされます。

仏説阿弥陀経の概要は

七宝からなる池があって、その中には八功徳水によって、湛えられています。その底には、一面黄金の砂が敷きつめられていま す。そして四方には、階段がたてられ、(その階段は)金・銀・瑠璃・水晶の四宝によって組みあわされています。それを昇りつめると高殿がそびえ、金・銀・ 瑠璃・水晶・宝石・赤真珠・瑪瑙の七宝によって、美しく飾られています。

そしてこの国には絶えず美しい音楽が流れ、何種類もの色とりどりの珍鳥が生息して昼夜にそれぞれ三度ずつ、やさしく美しく啼き、そよ風が、さまざまな宝でできた樹木や飾り具を吹 き動かすたびに、美しい音色をたてています。

仏説阿弥陀経の原文

佛說阿彌陀經

姚秦三藏法師鳩摩羅什奉詔譯

如是我聞 一時佛 在舍衛國 祇樹給孤獨園 與大比丘衆 千二百五十人倶 皆是大阿羅漢 衆所知識 長老舍利弗 摩訶目犍連 摩訶迦葉 摩訶迦旃延 摩訶倶絺羅 離婆多 周利槃陀伽 難陀 阿難陀 羅睺羅 憍梵波提 賓頭盧頗羅墮 迦留陀夷 摩訶劫賓那 薄拘羅 阿㝹樓駄 如是等 諸大弟子 并諸菩薩摩訶薩 文殊師利法王子 阿逸多菩薩 乾陀訶提菩薩 常精進菩薩 與如是等 諸大菩薩 及釋提桓因等 無量諸天 大衆倶

爾時佛告 長老舍利弗 從是西方 過十万億佛土 有世界 名曰極樂 其土有佛 號阿彌陀 今現在說法 舍利弗 彼土何故 名爲極樂 其國衆生 無有衆苦 但受諸樂 故名極樂

又舍利弗 極樂國土 七重欄楯 七重羅網 七重行樹 皆是四寶 周帀圍繞 是故彼國 名曰極樂

又舍利弗 極樂國土 有七寶池 八功德水 充滿其中 池底純以 金沙布地 四邊階道 金銀瑠璃 玻瓈合成 上有樓閣 亦以金銀瑠璃 玻瓈硨磲 赤珠碼碯 而嚴飾之 池中蓮華 大如車輪 青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光 微妙香潔 舍利弗 極樂國土 成就如是 功德莊嚴

又舍利弗 彼佛國土 常作天樂 黄金爲地 晝夜六時 而雨曼陀羅華 其國衆生 常以淸旦 各以衣裓 盛衆妙華 供養他方 十万億佛 即以食時 還到本國 飯食經行 舍利弗 極樂國土 成就如是 功德莊嚴

復次舍利弗 彼國常有 種種奇妙 雜色之鳥 白鵠孔雀 鸚鵡舍利 迦陵頻伽 共命之鳥 是諸衆鳥 晝夜六時 出和雅音 其音演暢 五根五力 七菩提分 八聖道分 如是等法 其土衆生 聞是音已 皆悉念佛念法念僧 舍利弗 汝勿謂此鳥 實是罪報所生 所以者何 彼佛國土 無三惡趣 舍利弗 其佛國土 尚無三惡道之名 何況有實 是諸衆鳥 皆是阿彌陀佛 欲令法音宣流 變化所作 舍利弗 彼佛國土 微風吹動 諸寶行樹 及寶羅網 出微妙音 譬如百千種樂 同時倶作 聞是音者 皆自然生 念佛念法念僧之 心舍利弗 其佛國土 成就如是 功德莊嚴

舍利弗 於汝意云何 彼佛何故 號阿彌陀 舍利弗 彼佛光明無量 照十方國 無所障礙 是故號爲阿彌陀 又舍利弗 彼佛壽命 及其人民 無量無邊 阿僧祇劫 故名阿彌陀 舍利弗 阿彌陀佛 成佛已來 於今十劫 又舍利弗 彼佛有無量無邊 聲聞弟子 皆阿羅漢 非是算數 之所能知 諸菩薩衆 亦復如是 舍利弗 彼佛國土 成就如是 功德莊嚴

又舍利弗 極樂國土 衆生生者 皆是阿鞞跋致 其中多有一生補處 其數甚多 非是算數 所能知之 但可以無量無邊 阿僧祇劫說 舍利弗 衆生聞者 應當發願 願生彼國 所以者何 得與如是 諸上善人 倶會一處 舍利弗 不可以少善根 福德因緣 得生彼國

舍利弗 若有善男子善女人 聞說阿彌陀佛 執持名號 若一日 若二日 若三日 若四日 若五日 若六日 若七日 一心不亂 其人臨命終時 阿彌陀佛 與諸聖衆 現在其前 是人終時 心不顛倒 即得往生 阿彌陀佛 極樂國土 舍利弗 我見是利 故說此言 若有衆生 聞是說者 應當發願 生彼國土

舍利弗 如我今者 讚歎阿彌陀佛 不可思議功德 東方亦有 阿閦鞞佛 須彌相佛 大須彌佛 須彌光佛 妙音佛 如是等 恒河沙數諸佛 各於其國 出廣長舌相 徧覆三千大千世界 說誠實言 汝等衆生 當信是稱讚 不可思議功德 一切諸佛 所護念經

舍利弗 南方世界 有日月燈佛 名聞光佛 大焰肩佛 須彌燈佛 無量精進佛 如是等 恒河沙數諸佛 各於其國 出廣長舌相 徧覆三千大千世界 說誠實言 汝等衆生 當信是稱讚 不可思議功德 一切諸佛 所護念經

舍利弗 西方世界 有無量壽佛 無量相佛 無量幢佛 大光佛 大明佛 寶相佛 淨光佛 如是等 恒河沙數諸佛 各於其國 出廣長舌相 徧覆三千大千世界 說誠實言 汝等衆生 當信是稱讚 不可思議功德 一切諸佛 所護念經

舍利弗 北方世界 有焰肩佛 最勝音佛 難沮佛 日生佛 網明佛 如是等恒河沙數諸佛 各於其國 出廣長舌相 徧覆三千大千世界 說誠實言 汝等衆生 當信是稱讚 不可思議功德 一切諸佛 所護念經

舍利弗 下方世界 有師子佛 名聞佛 名光佛 達摩佛 法幢佛 持法佛 如是等 恒河沙數諸佛 各於其國 出廣長舌相 徧覆三千大千世界 說誠實言 汝等衆生 當信是稱讚 不可思議功德 一切諸佛 所護念經

舍利弗 上方世界 有梵音佛 宿王佛 香上佛 香光佛 大焰肩佛 雜色寶華嚴身佛 娑羅樹王佛 寶華德佛 見一切義佛 如須彌山佛 如是等 恒河沙數諸佛 各於其國 出廣長舌相 徧覆三千大千世界 說誠實言 汝等衆生 當信是稱讚 不可思議功德 一切諸佛 所護念經

舍利弗 於汝意云何 何故名爲 一切諸佛 所護念經 舍利弗 若有善男子善女人 聞是諸佛所說名 及經名者[16] 是諸善男子善女人 皆爲一切諸佛 共所護念 皆得不退轉 於阿耨多羅三藐三菩提 是故舍利弗 汝等皆當 信受我語 及諸佛所說 舍利弗 若有人 已發願 今發願 當發願 欲生阿彌陀佛國者 是諸人等 皆得不退轉 於阿耨多羅三藐三菩提 於彼國土 若已生 若今生 若當生 是故舍利弗 諸善男子善女人 若有信者 應當發願 生彼國土

舍利弗 如我今者 稱讚諸佛 不可思議功德 彼諸佛等 亦稱說我 不可思議功德 而作是言 釋迦牟尼佛 能爲甚難 希有之事 能於娑婆國土 五濁惡世 劫濁 見濁 煩惱濁 衆生濁 命濁中 得阿耨多羅三藐三菩提 爲諸衆生 說是一切世間 難信之法 舍利弗 當知我於 五濁惡世 行此難事 得阿耨多羅三藐三菩提 爲一切世間 說此難信之法 是爲甚難 佛說此經已 舍利弗 及諸比丘 一切世間 天人阿修羅等 聞佛所說 歡喜信受 作禮而去

佛說阿彌陀經

仏説阿弥陀経の訳

仏説阿弥陀経

姚秦三蔵法師鳩摩羅什奉詔訳

如是我聞…私はこう聞きました

一時仏在舎衛国…お釈迦様があるときシュラーヴァスティー国の

祇樹給孤独園…孤独な者に食を恵む園に

与大比丘衆 千二百五十人倶…たくさんのお弟子 千二百五十人と一緒にいた

皆是大阿羅漢…みんな立派なお弟子で

衆所知識…世間にもよく知られた方ばかり

長老舎利弗…長老のシャーリプトラ

摩訶目犍連…マハー・マウドガルヤーヤナ

摩訶迦葉…マハー・カーシャパ

摩訶迦旃延…マハー・カーティヤーヤナ

摩訶倶絺羅…マハー・カウシュティラ

離婆多…レーヴァタ

周利槃陀伽…チューダ・パンタカ

難陀…ナンダ

阿難陀…アーナンダ

羅睺羅…ラーフラ

驕梵波提…ガバーン・パティ

賓頭盧頗羅堕…バラ・ドヴァージャ

迦留陀夷…カーローダイン

摩訶劫賓那…マハー・カッピナ

薄拘羅…ヴァックラ

阿㝹楼駄…アニルッダ

如是等 諸大弟子…といった 立派な弟子ばかりで

并諸菩薩…このほかにもたくさんの菩薩や

摩訶薩…大変立派な方

文殊師利法王子…文殊菩薩

阿逸多菩薩…弥勒菩薩

乾陀訶提菩薩…ガンダ・ハスティン菩薩

常精進菩薩…ニティヨードユクタ菩薩

与如是等 諸大菩薩…といった 偉大な菩薩たち

及釈提桓因等…帝釈天などをはじめ

無量諸天大衆倶…天の神々も一緒で

爾時仏告…その前でお釈迦様は語った

長老舎利弗…長老シャーリプトラ様に向かい

従是西方…西の方角に向かって

過十万億仏土…十万億の仏の国を過ぎた所に

有世界…ひとつの世界があり

名曰極楽…そこを極楽と言う

其土有仏…そこに仏が居て

号阿弥陀…名を、阿弥陀仏と言い

今現在説法…今まさに説法をしています

舎利弗…シャーリプトラよ

彼土何故…その国のことをなぜ

名為極楽…極楽と呼ぶかについて

其国衆生…その国の人たちは

無有衆苦…なんの苦しみもなく

但受諸楽…ただ楽しみだけを受けるだけで

故名極楽…極楽と言います

又舎利弗…またシャーリプトラよ

極楽 国土…極楽には

七重欄楯…七重の欄干

七重羅網…七重の網目のカーテン

七重行樹…七重の並木があり

皆是四宝…これらは四種の宝石でできていて

周匝囲繞…周りを取り囲んでいる

是故彼国…故にかの国を

名曰極楽…極楽と言う

又舎利弗…またシャーリプトラよ

極楽国土…極楽には

有七宝池…七種の宝石でできた池があり

八功徳水…八種の功徳の水が

充満其中…いっぱいに入っていて

池底純以…池の底はきれいに澄みわたり

金沙布地…金の砂が敷き詰められている

四辺階道…池の四方には

金銀瑠璃…金、銀、ルビー

玻瓈合成…水晶でできた道があり

上有楼閣…その上に楼閣があり

亦以金銀瑠璃…これも金、銀、ルビーや

玻瓈硨磲…水晶、しゃこ貝

赤珠碼碯…赤真珠、メノウなどの宝石で

而厳飾之…美しく飾られている

池中蓮華…池に咲く蓮の花は

大如車輪…車輪のように大きく

青色青光…青い蓮は青い光を

黄色黄光…黄色い蓮は黄色い光を

赤色赤光…赤い蓮は赤い光を

白色白光…白い蓮は白い光を放ち

微妙香潔…素晴らしい香りがする

舎利弗…シャーリプトラよ

極楽 国土…極楽には

成就如是…仏の功徳によってこのように

功徳荘厳…荘厳されている

又舎利弗…またシャーリプトラよ

彼仏国土…この極楽には

常作天楽…素晴らしい音楽が流れ

黄金為地…地面は純金でできており

昼夜六時…昼に三回、夜に三回

而雨曼陀羅華…マーンダーラヴァの花が降る

其国衆生…極楽にすむ人は

常以清旦…毎朝必ず

各以衣裓…花かごを持って

盛衆妙華…中に美しい花々を盛り

供養他方 十万億仏…よその国の十万億というたくさんの 仏に供えいる

即以食時…食事時には

還到本国…極楽にもどって

飯食経行…食事して、軽い散歩をする

舎利弗…シャーリプトラよ

極楽国土…極楽は

成就如是…仏の功徳によってこのように

功徳荘厳…荘厳されている

復次舎利弗…またシャーリプトラよ

彼国常有…あの極楽はいつでも

種種奇妙…いろんな種類の見たこともない

雑色之鳥…素晴らしい色の鳥

白鵠孔雀…ツルやクジャク

鸚鵡舎利…オウム、サギ

迦陵頻伽…鸞らん

共命之鳥…キジといった

是諸衆鳥…鳥々が

昼夜六時…昼に三回、夜に三回

出和雅音…美しい音色で啼き

其音演暢…その啼き声は

五根五力…五種の能力、五種の力

七菩提分…七種の悟りへの方法

八聖道分…八種の聖なる道を説く

如是等法…この教えを

其土衆生…極楽の人々は

聞是音已…聴き終わると

皆悉念仏…みな仏を念じ

念法念僧…法を念じ、僧を念じる

舎利弗…シャーリプトラよ

汝勿謂此鳥…もしあなたはこの鳥が

実是罪報所生…罪の報いで鳥になったとしても

所以者何…いいえ

彼仏国土…極楽には

無三悪趣…地獄、餓鬼、畜生は無い

舎利弗…シャーリプトラよ

其仏国土…だから極楽には

尚無三悪道之名…地獄、餓鬼、畜生の名もなく

何況有実…実体もない

是諸衆鳥…つまりこれらの鳥は

皆是阿弥陀仏…阿弥陀仏が

欲令法音宣流…教えを宣べ広めるため

変化所作…自ら鳥に姿を変えている

舎利弗…シャーリプトラよ

彼仏国土…極楽には

微風吹動…そよ風が吹いていて

諸宝行樹…宝石でできた並木や

及宝羅網…宝石でできた網目のカーテンが

出微妙音…美しい音を奏で

譬如百千種楽…あたかも百や千の楽器が一度に

同時倶作…鳴ったかのように

聞是音者…この音色は聴けば

皆自然生…みな自然と

念仏 念法…仏を念じ、法を念じ

念僧之心…僧を念じる心が起こされます

舎利弗…シャーリプトラよ

其仏国土…極楽は

成就如是 功徳 荘厳…仏の功徳によって 荘厳されているのです

舎利弗…シャーリプトラよ

於汝意云何…どうしてこの仏を

彼仏何故 号阿弥陀…阿弥陀というのか 分かりますか

舎利弗…シャーリプトラよ

彼仏光明無量…この仏の光は限りがなく

照十方国…あまねく十方を照らし

無所障礙…さえぎられることがない

是故号為阿弥陀…だから阿弥陀という

又舎利弗…またシャーリプトラよ

彼仏寿命…この仏の寿命と

及其人民…この国の人々の寿命は

無量無辺…ものすごく長く

阿僧祇劫…計り知れない長さであるから

故名阿弥陀…阿弥陀という

舎利弗…シャーリプトラよ

阿弥陀仏…阿弥陀仏は

成仏已来…仏となってから

於今十劫…十劫という長い時間が経過している

又舎利弗…またシャーリプトラよ

彼仏有無量無辺…この仏にはたくさんの

声聞弟子…直弟子がいて

皆阿羅漢…みな聖者の位にあり

非是算数…その数は

之所能知…数で表せないほど多く

諸菩薩衆…菩薩たちも同じく

亦復如是…数えきれないほど多い

舎利弗…シャーリプトラよ

彼仏国土…極楽は

成就如是…仏の功徳によってこのように

功徳荘厳…荘厳されている

又舎利弗…またシャーリプトラよ

極楽国土…極楽に

衆生生者…生まれた人はみな

皆是阿鞞跋致…迷いの世界へ二度と戻らず

其中多有…その多くは

一生補処…次の世で仏になる位にあり

其数甚多…その数はとても多く

非是算数…数で表すことは

所能知之…とてもできない

但可以無量無辺 阿僧祇劫説…とてつもなく長い時間をかけ 説くことができる数である

舎利弗…シャーリプトラよ

衆生聞者…この話を聴くだけで

応当発願 願生彼国…極楽へ生まれたいと 願いを起こさなければいけません

所以者何…なぜなら

得与如是…かくも立派な人々と

諸上善人 倶会一処…ひとつ所に 一緒にいることができるのですから

舎利弗…シャーリプトラよ

不可以少善根…ほんの少しの功徳や

福徳 因縁…福徳の原因と結果によって

得生彼国…極楽に生まれることはできない

舎利弗…シャーリプトラよ

若有善男子…もし心がけの素晴らしい男性や

善女人…女性が

聞説阿弥陀仏…阿弥陀仏についての話を聴き

執持名号…その名を心にとどめ

若一日…たとえ一日でも

若二日…たとえ二日でも

若三日…たとえ三日でも

若四日…たとえ四日でも

若五日…たとえ五日でも

若六日…たとえ六日でも

若七日…たとえ七日でも

一心不乱…一心にその名を念ずれば

其人臨命終時…臨終のときに

阿弥陀仏…阿弥陀仏が

与諸聖衆…聖者を多く引き連れて

現在其前…その人の前に現れる

是人終時…臨終のときがきても

心不顛倒…心が乱れず

即得往生 阿弥陀仏 極楽 国土…たちどころに 阿弥陀仏の 極楽に生まれる

舎利弗…シャーリプトラよ

我見是利…私はこれを素晴らしいと思うから

故説此言…こうして説いている

若有衆生…皆さんが居て

聞是説者…この説を聴いた人は

応当発願 生彼国土…極楽に生まれたいと 心に願わないといけません

舎利弗…シャーリプトラよ

如我今者 讃歎阿弥陀仏…阿弥陀仏の不可思議な功徳を 私がいま

不可思議功徳…こうしてほめ讃えているように

東方亦有…東の方角では

阿閦鞞仏…アクショービヤ仏

須弥相仏…メール・ドヴァジャ仏

大須弥仏…マハー・メール仏

須弥光仏…メール・プラバーサ仏

妙音仏…マンジュ・ドヴァジャ仏

如是等…といった

恒河沙数諸仏…ガンジス河の砂の数ほど多くの仏が

各於其国…それぞれの浄土で

出広長舌相…偽りのない真理のことばを

徧覆三千 大千世界…宇宙全体の すみずみまで

説誠実言…響き渡るよう説いている

汝等衆生…だからあなたは

当信是称讃…すべての仏が阿弥陀仏の

不可思議功徳…不可思議な功徳を讃え

一切諸仏…心から念じている教えと

所護念経…受けとめるべきです

舎利弗…シャーリプトラよ

南方世界…南の方角では

有日月灯仏…チャンドラ・スールヤ・プラディーパ仏

名聞光仏…ヤシャッハ・パラバ仏

大焔肩仏…マハールチ・スカンダ仏

須弥灯仏…メール・プラディーパ仏

無量精進仏…アナンタ・ヴィールヤ仏

如是等…といった

恒河沙数諸仏…ガンジス河の砂の数ほど多くの

各於其国…仏がそれぞれの浄土で

出広長舌相…偽りのない真理のことばを

徧覆三千 大千世界…宇宙全体の すみずみまで

説誠実言…響き渡るよう説いている

汝等衆生…だからあなたは

当信是称讃…すべての仏が阿弥陀仏の

不可思議功徳…不可思議な功徳を讃え

一切諸仏…心から念じている教えだと

所護念経…受けとめるべきです

舎利弗…シャーリプトラよ

西方世界…西の方角では

有無量寿仏…アミターユス仏

無量相仏…アミタ・スカンダ仏

無量幢仏…アミタ・ドヴァジャ仏

大光仏…マハー・プラバ仏

大明仏…マハー・ラトナ・ケートゥ仏

宝相仏…ラトナ・ラクシャナ仏

浄光仏…シュッダ・ラシュミ・プラバ仏

如是等…といった

恒河沙数諸仏…ガンジス河の砂の数ほど多くの

各於其国…仏がそれぞれの浄土で

出広長舌相…偽りのない真理のことばを

徧覆三千 大千世界…宇宙全体の すみずみまで

説誠実言…響き渡るよう説いている

汝等衆生…だからあなたは

当信是称讃…すべての仏が阿弥陀仏の

不可思議功徳…不可思議な功徳を讃

一切諸仏…心から念じている教えだと

所護念経…受けとめるべきです

舎利弗…シャーリプトラよ

北方世界…北の方角では

有焔肩仏…マハールチ・スカンダ仏

最勝音仏…ヴァイシュヴァーナラ・ニルゴーシャ仏

難沮仏…ドゥシュ・プラダルシャ仏

日生仏…アーディティヤ・サンバヴァ仏

網明仏…ジャーリニー・プラバ仏

如是等…といった

恒河沙数諸仏…ガンジス河の砂の数ほど多くの

各於其国…仏がそれぞれの浄土で

出広長舌相…偽りのない真理のことばを

徧覆三千 大千世界…宇宙全体の すみずみまで

説誠実言…響き渡るよう説いている

汝等衆生…だからあなたは

当信是称讃…すべての仏が阿弥陀仏の

不可思議功徳…不可思議な功徳を讃え

一切諸仏…心から念じている教えだと

所護念経…受けとめるべきです

舎利弗…シャーリプトラよ

下方世界…下の方角では

有師子仏…シンハ仏

名聞仏…ヤシャ仏

名光仏ヤシャ・プラバーサ仏

達摩仏…ダルマ仏

法幢仏…ダルマ・ダラ仏

持法仏…ダルマ・ドヴァジャ仏

如是等…といった

恒河沙数諸仏…ガンジス河の砂の数ほど多くの

各於其国…仏がそれぞれの浄土で

出広長舌相…偽りのない真理のことばを

徧覆三千 大千世界…宇宙全体の すみずみまで

説誠実言…響き渡るよう説いている

汝等衆生…だからあなたは

当信是称讃…すべての仏が阿弥陀仏の

不可思議功徳…不可思議な功徳を讃え

一切諸仏…心から念じている教えだと

所護念経…受けとめるべきです

舎利弗シャーリプトラよ

上方世界…上の方角では

有梵音仏…ブラフマ・ゴーシャ仏

宿王仏…ナクシャトラ・ラージャ仏

香上仏…ガンドーッタマ仏

香光仏…ガンダ・プラバーサ仏

大焔肩仏…マハールチ・スカンダ仏

雑色宝華厳身仏…ラトナ・クスマ・サンプシュピタ・ガートラ仏

娑羅樹王仏…サーレーンドラ・ラージャ仏

宝華徳仏…ラトノートパラ・シュリー仏

見一切義仏…サルヴァールタ・ヴァルシャ仏

如須弥山仏…スメール・カルパ仏

如是等…といった

恒河沙数諸仏…ガンジス河の砂の数ほど多くの

各於其国…仏がそれぞれの浄土で

出広長舌相…偽りのない真理のことばを

徧覆三千 大千世界…宇宙全体の すみずみまで

説誠実言…響き渡るよう説いていらっしゃる

汝等衆生…だからあなたは

当信是称讃…すべての仏が阿弥陀仏の

不可思議功徳…不可思議な功徳を讃え

一切諸仏…心から念じている教えだと

所護念経…受けとめるべきです

舎利弗…シャーリプトラよ

於汝意云何…どうしてこの教えを

何故名為 一切諸仏…すべての仏が阿弥陀仏を 心から念じている教えと言うか

所護念経…わかりますか

舎利弗シャーリプトラよ

若有善男子…もし心がけの素晴らしい男性や

善女人…女性が

聞是諸仏…すべての仏が説く

所説名…阿弥陀仏の名と

及経名者…教えの名を聞いたら

是諸善男子…その心がけの素晴らしい男性や

善女人…心掛けの善い女性は

皆為一切諸仏…すべての仏が

共所護念心から念じてくださるので

皆得不退転…迷いの世界に戻ることの

於阿耨多羅…絶対にない境地に全員が

三藐三菩提…到達できるのです

是故舎利弗…シャーリプトラよ

汝等皆当…だからあなたは

信受我語 及諸仏所説…私が説いた教え、そして仏の教えを 真に受け止めるべきです

舎利弗…シャーリプトラよ

若有人…ある人が

已発願 今発願 当発願…既にに今まさにこれから

欲生 阿弥陀仏国者…阿弥陀仏の浄土に生まれたいと 願うなら

是諸人等…その人すべて

皆得不退転…迷いの世界へ戻ることの

於阿耨多羅…絶対にない境地に

三藐三菩提…到達できてしまうのです

於彼国土…それはすなわち、浄土に

若已生…すでに生まれ

若今生…今まさに生まれ

若当生…これから生まれるということです

是故舎利弗…だからシャーリプトラよ

諸善男子…心がけの素晴らしい男性や

善女人…善い女性で

若有信者…信仰のある人は

応当発願 生彼国土…極楽に生まれたいと 心に願わなければなりません

舎利弗…シャーリプトラよ

如我今者…私がいま

称讃諸仏…こうしてすべての仏の

不可思議功徳…不可思議な功徳を讃えるように

彼諸仏等…すべての仏が

亦称説我…また私自身の

不可思議功徳…不可思議な功徳を讃え

而作是言…こう言っている

釈迦牟尼仏…お釈迦様、あなたは

能為甚難…甚だ困難で

希有之事…希有なことを成し遂げてくださった

能於娑婆国土…そのうえ娑婆という

五濁悪世…五種のけがれに満ちた世界で

劫濁…時代のけがれ

見濁…思想のけがれ

煩悩濁…欲望のけがれ

衆生濁…人間そのもののけがれ

命濁中…寿命のけがれの中で

得阿耨多羅 三藐三菩提…最高の悟りを 得ただけでなく

為諸衆生…苦しみ迷う人々に

説是一切世間 難信之法…この信じがたい教えを よくぞ説いてくださった

舎利弗…シャーリプトラよ

当知我於…知っておいて欲しい

五濁悪世…私が五つのけがれに満ちた世界で

行此難事…この困難を成し遂げ

得阿耨多羅 三藐三菩提…最高の悟りを ついに得て

為一切世間 説此難信之法…この信じがたい教えを 人々に説いているということを

是為甚難…思えば、甚だ困難なことだった

仏説此経已…お釈迦様はそこまで語ると

舎利弗シャーリプトラや

及諸比丘…その場にいた弟子は

一切世間…さらにすべての

天人阿修羅等…天の神々や人、阿修羅たちは

聞仏所説…お釈迦さまのこの教えを聴き

歓喜信受…心から喜び、真に受け止めて

作礼而去…仏に礼拝して立ち去った