周利槃特(チューダ・パンタカ)とは

チューダ・パンタカ

周利槃特(チューダ・パンタカ)は釈迦の十大弟子の中でも「仏説阿弥陀経」に7番目に出てくる、記憶力が大変に悪く、勉強が出来なかった弟子のことです。

周利槃特の生い立ち

周利槃特(チューダ・パンタカ)の母親は王舎城(ラージャガハ)の大富豪の娘であったが下男と駆け落ちして、やがて双子を出産して兄を摩訶槃特(マハー・パンタカ)、弟を周利槃特(チューダ・パンタカ)と名付けました。

兄のマハー・パンタカが聡明であるのに対して弟のチューダ・パンタカの愚鈍な性質は生涯変わることがなかったそうです。

その愚鈍さは自分の名前も書けない、周囲から自分の名前を呼ばれても自分のことだと分からないほどだったそうです。

弟子入り

先に釈迦の弟子になった兄のマハー・パンタカのすすめで弟子入りした弟のチューダ・パンタカは四か月を過ぎても一つの句さえも覚えることが出来なかったそうで、自分の無能さを恥じたチューダ・パンタカはやがて教団を去ろうと釈迦に相談します。

釈迦は「自分を愚かだと知っている者は愚かではない。自分を賢いと思い上がっている者こそ、本当の愚か者である」と説き、彼に一枚の布(または箒)を与えて、「塵を除く、垢を除く」と唱えさせて精舎を掃除することを教えました。

以後チューダ・パンタカは釈迦のこの教えを守りただひたすらに掃除をし続けたそうです。

悟り

釈迦の教えを忠実に守り何十年も掃除を続けたチューダ・パンタカはやがて本当に落とすべき汚れが貪(とん=貪る心)瞋(じん=怒る心)痴(ち=無知の心)であることに気付き、悟りを得て阿羅漢果(あらかんか=六道を脱した涅槃の世界)に到達しました。

難行苦行

釈迦が悟りを得る前の時代には数多くの宗教の行者が悟りを目指した修行をしていて、逆立ちを続けたり、体を痛めつける数多くの行者が存在していましたが、釈迦は自らも難行苦行を重ねた結果として、そういった苦行では悟りを得られないことに気が付きました。

仏教の修行

釈迦の弟子たちは釈迦の説法を聞き、自らも瞑想することで修行を重ねましたが、釈迦の教えを聞くことはとても重要なことであり、優秀な弟子たちは皆こぞって釈迦の教えを聞き、暗記して実践していたのです。

そのような中でチューダ・パンタカのように何も覚えられない者は優秀な弟子にはなれないし、日々何をしてよいか分からなくなり、目標を失うことになるのです。

しかし釈迦はこういった愚鈍の弟子に対しても悟りを得る方法を示したことが仏教の素晴らしさであって、何も出来ないからと諦めてはいけないと説いているのです。

チューダ・パンタカの行いとは

チューダ・パンタカは釈迦が説いた修行法である

  • 「塵を除く、垢を除く」を唱える事
  • 唱えながら掃除する事

ただこれだけを忠実に実践し続けた結果として阿羅漢果に達したのです。

チューダ・パンタカは釈迦の難解な教えを聞き続けた訳でも、瞑想を続けた訳でもないのです。

只一つのことをやり続けることだけで十大弟子の仲間入りを果たせたのですから、すごいことです。

釈迦が教える修行法

「塵を除く、垢を除く」、この短いお経を唱えながらただひたすらに掃除して、大切なことは自らの貪りの心や怒りの心、無知なる心を払い落として綺麗にすることです。

掃除しながらも自らの心を磨くことを忘れないことなのです。

釈迦が教えて下さった修行法は、「心の外を掃除しながら心の中を磨く修行法」なのです。

皆さんも実践してみませんか。