印鑑と印鑑ケース
印鑑とは個人や会社、法人などの意思を示すために書類や契約書に押す承認したことを示す印のこと。
ハンコ社会
ハンコの歴史は大変に古く、我が国で最も古いハンコは福岡県志賀島で発見された金印「漢委奴國王印」であり、金で出来たとても貴重なハンコであるために権力・地位の象徴として作られたものであると言われています。
私が会社で働いていた頃にはどんな書類でも上司のハンコを押す欄があって、上司のハンコが全て並んでいないと物事が進まないようになっていましたから、ハンコは上司の承認の印であると共に、何か問題が起こった時に連帯責任を負わされるので簡単に押せるものではありません。
しかしながら会社では大量の書類が部署間を行き来するので、上司の仕事は書類に大量のハンコを押すだけということが゛実際にはあったのです。
ハンコの乱用
ハンコの低価格化が進み100円ショップで売られるようになってからは大量のハンコを所有して架空の会議を行ったかのように議事録を作成して自分以外の人の名前のハンコを勝手に押したり、申請書の偽造や領収書の偽造などに使われることが多くなるなどの社会問題になりました。
ハンコ自体は元々全く同じ物がなく、そのハンコを登録した印鑑登録は唯一無二のハンコを証明する公的な書類ですから、本人の意思を示すものとして重要であり、簡単には複製できなかったものですが、安いハンコが世の中に大量に出回る時代になり、一人で何本ものハンコを持つようになつてからはハンコの重要性が薄れていきますが、それでも土地や家屋の売買などの重要な書類には何か所にもハンコを押すことに変わりはありません。
脱ハンコ
世界的に新型コロナが流行し、ソーシャルディスタンスの奨励、不要不急の外出の自粛が要請されますと自宅勤務という形態が推進され、ネット環境を利用したビデオ会議やメール、チャットなどで仕事をする人が増えましたが、紙の書類には相変わらず上司の承認印が必要なために、ハンコを貰うためだけに出社しなければいけないので、今やハンコの承認が無駄な仕事になってしまい、脱ハンコの流れになっていきます。
政府の行政改革に於いても各種書類の電子化、電子署名の推進などを打ち出し、脱ハンコ社会への切り替えを進めています。
これからの時代は行政の手続きがオンラインで出来るようになり、紙で出来た健康保険証やお薬手帳などはマイナンバーカードに切り替わっていきますから、電子化に慣れない高齢者は時代に取り残されてしまいます。
ハンコのお焚き上げ
故人の遺品整理をしていますと机の引き出しに大量にあるのが印鑑と印鑑ケースで印鑑には実に種類が多く、実印・銀行印・認印・シャチハタ・訂正印などの種類があり、材質にしても木・象牙・ガラス・天然石・水晶などの素材があり、かつて印相学が流行った時代には運気を良くする印や開運印などの開運商法に騙されて高額な印を買わされた人も居て、意外と多くの印鑑が出てきます。
ハンコは故人が大切にしてきたものであり、人生の一大事に使われたものもあるでしょうから、印鑑・印鑑ケース・朱肉など含めて、やすらか庵のお焚き上げ供養を利用の際にはお焚き上げの中に入れて頂いて構いません。
ご自分の持物で良い思い出の無い印鑑、開運グッズとして買った印鑑、姓が変わったので不要になった印鑑なども供養させて頂きます。