虫の標本について

虫の標本のイラスト

標本とは研究や収集の目的のために、珍しい或いは典型的な特徴を持った虫の死骸を防腐処理して形を整えてケースなどに展示することです。

コレクションは高級な趣味でした

鹿の剥製

昭和の時代ぐらいまでは動物の剥製や珍しい昆虫のコレクションはとても高級な趣味であり、お金持ちの豪邸に行けば必ず飾ってあったものです。

誰も持っていないような珍しい物を持っているという事が自慢であり、ステイタスだったのです。

そういった珍しい物のためには多額の投資もいとわないという人がたくさん居ましたので、希少な動物や昆虫が乱獲のために次々と絶滅していったという間違いを犯していたのです。

標本は劣化します

昆虫の標本は日の当たる所に飾っていると日に焼けてしまいます。

湿度が高い部屋や薄暗い部屋では虫が湧いたり形が崩れたりします。

温度や湿度が管理された部屋が理想なのですが、研究用ではなくてコレクションですからある程度の劣化は仕方ありません。

命を考える

虫といえども標本にするということは厳密にいえば殺生なのですが、例えば子供の夏休みの自由研究の課題として虫を標本にするということはよくあることで、そんなに罪の意識を背負わなくてもよろしいのですが、特に母親の立場からすれば、実にかわいそうだと思う感受性の強い方もたくさんおられます。

ある意味全ての生き物に優しいという心の持ち主なのですから、仏の心に近いということも言える訳で、男の子が平気で虫を殺してしまうことに対して心を痛める母親もいるのです。

標本の処分

ごみとして捨てる

昆虫の標本は不要になったらゴミとして捨てても構いません。

遺品整理などの現場でも捨てられることが多いと思います。

ケースにガラスや金属が使われていたら、それらを取り外して分別してからゴミに出します。

標本の部分は出来ることなら白い紙か半紙などで包んで、可能であれば軽く塩を一振りすればお清めにもなります。

しかし誰かの役に立つのであれば虫の命も全う出来たということですが、用が済んだとばかりに無造作に散らかしていたり、ゴミ箱に捨ててしまうというのも、ちょっと忍びないことだと思います。

標本のお焚き上げ

やすらか庵のお焚き上げ供養

虫と言えども生きていた命であり、私達の勝手な都合で標本にされたのであり、標本にされる過程で命を落としたかもしれないことを思いますと、命の供養をして差し上げることが生き物としての務めではなでしょうか。

命に対して供養して差し上げたいと思ったらお焚き上げ供養を利用するのも良いと思います。


お焚き上げの質疑応答エンター