毘沙門天祈願

毎朝諸堂を廻って勤行しております中でも毘沙門堂は私の修行の場であり、太鼓を叩きながら「オンベイシラマンダヤソワカ」を唱えるのですが、祈願を依頼される方もおりますので、最初と最後に祈願を挟みます。

その中でも速達で届いたSさんの祈願は合格祈願で、いろんなことが重なり絶望的な状況でしたが、私も毎日拝まさせて頂きましたが、合格したとの便りが届き、御本尊様にご報告させて頂きました。

何よりもご本人の努力の賜物であり、明るい気持ちで生きていくための希望になれば何よりでございます。

行者は神仏と人とのお取次ぎで御座いまして、よからぬ願い事をお取次ぎしては叱られますので、必ず正しい方向に向かいますからお願いしますという条件付きのお取次ぎであり、その条件を人に対して説くのも行者の仕事なのです。

生きていくためには希望が必要です、失敗ばかり繰り返していますと希望が持てなくなりますが、今はダメでも必ず良くなるという強い信念と、神様が何とかして下さるという信仰心があれば必ず希望の光が見えてくる、これが毘沙門天信仰なのです。