一樹百獲とは
一樹百獲(いちじゅひゃっかく)とは一本の木を植えることで百の利益を得るという諺で、人材を育てることが将来大きな利益につながるということ。
一本の木を植える
私が子供の頃の昭和の時代にはどの家にも庭が有って果実が実り、収穫の時期になると毎日色がついていく様子を楽しみに見ていたものでした。
木を植えたら水やりをしたり、肥料をあげたりと、成長が楽しみとなります。
実がなるような木ですと自分の家で採れる果実は売っている物では味わえない特別の味がするものです。
ただ一本の樹ですが、植えることによってたくさんの家族の思い出を作り出し、心を豊かにしてくれるのです。
木を植えることは夢の種を蒔くことであり、たくさんの収穫につながるのです。
今の時代世界的な地球温暖化の影響で甚大な自然災害が起こるようになっています。
私達が享受している文明は木を伐り山を削り海を埋め立てて造ってきたもので、私達が都会で快適に暮らしている裏には木を切るばかりの連続で成り立ち、埋蔵されたエネルギーを使うだけの便利さを享受してきたのですが、近年では失われた自然が私達に対して牙をむくようなことが現実問題として起こっているのです。
少なくともそこにある全ての木を切ってしまうようなことは止めて、少しでも木を植えるようなことをして自然と共存するような生活に切り替えなければいけません。
樹は大木になりますと御神木になり、神が宿るようになりますが、数百年の間伐採することなく、守り続ける努力が必要なのです。
自然の中にあった神仏も都会のビル群の中では神々の居場所が少なくなっているのです。
私達は神仏と共に暮らしてきたのですから、神仏の加護が無ければ幸せから遠ざかってきます。
収穫について
一本の樹は多くの果実を実らせたり、木陰を作ってくれたり、鳥が止まってさえずったりなどの多くの効果をもたらせてくれますので、実にたくさんの収穫があります。
収穫とは目に見える形のあるものばかりではなく、楽しい思い出や感動などの心で感じるものもあるのですから、木陰で休んだり、木に登って遊んだりするようなことも全て収穫なのです。
一樹百獲とは一本の木を植えることによって百の収穫を得ることであり、会社や企業にとっての一本の樹とは人材を育てることですから、一人の人材を育てることは会社、企業にとって大きな収穫をもたらすということなのです。
家庭に於いては子育て
家庭に於いては子供は宝物であり、たくさんの楽しい思い出を作り、立派に成長してくれることはとても嬉しい事です。
もちろん楽しい事ばかりでなく、辛い事や苦しい事もたくさんあるのですが、そういった事を乗り越えての幸せは大きな喜びにつながるのです。
一本の木を植えたら大切に育てましょう、愛情を注ぎましょう、そして温かく見守ってあげましょう。
一本の木を植えたからと言って百の収穫があることを期待してはいけません、収穫というものは後から付いてくるものなのです。