位牌と木
位牌というものは木で出来たものがほとんどで、古くなればガタついてきたり、塗りが剥げて字が見えなくなってきたりしますので、あまり耐久性に優れている材質だとは言えません。
位牌の材質
昔から位牌は木で出来ているというのが定番であり、近年ではガラスの位牌や石や陶器、金属の位牌などが出てきました。
他には稀に小型になりますが高級素材として象牙、べっ甲などの位牌も存在します。
位牌の役割
そもそも位牌の役割は、亡き人の霊の依り代です。依り代とは神が天から降りて来る対象物であり、高い山や樹木、巨岩などの自然物であり、古より信仰の対象となっています。
先祖の霊は墓石や位牌を依り代として降りてきますので、墓石や位牌には先祖の霊が降りて来る時に間違えないように戒名、俗名、没年月日、享年などを記しているのです。
霊が降りて来るのはやはり木や石などの自然物であり、ガラスや金属などの人工的な生成物ではメモリアル品としての機能は果たしますが、本来の目的から外れてしまいます。
日本人の心
日本人は自然にあるもの、自然が作り出したもの、或いは自然そのものに命が宿り、魂が宿るという自然崇拝、アニミズムの文化を持った民族であり、自然に対する感謝の気持ちを持ち合わせており、受け継いできたのです。
私達は札漠とした都会に住んでいれば自然に感謝することも忘れてしまい、人に感謝することも忘れてしまいがちです。宗教でなくとも「ありがとう」と言って手を合わせる、この気持ちを忘れてはいけないと思います。