三昧耶会とは
三昧耶会(さんまやえ)は大日如来の「智」の世界を表す金剛界曼荼羅における九つのブロックの中で中央の成身会の一つ下にあり成身会と同じ構成ですが、各仏を象徴する持ち物や印相など(三昧耶形)で表現されています。
金剛界曼荼羅の基本となる三十七尊を含む全77尊が描かれています。
三昧耶会の由来
成身会が「一切義成就菩薩」が五相成身観(金剛界曼荼羅の構造)を修して金剛界如来(毘盧遮那如来)の身を成就したことから、菩薩から如来となるその悟りへの過程を表現していますので、三昧耶会は基本的に同じと考えれば良いのですが、悟りへの過程を表す仏の形が抽象化していることに意義があるのです。
仏に形があるとすれば人に近い形をしていると分かりやすいのですが、何千という仏が居て、それぞれの特徴を説明しようとしたら持物であったり印の組み方で区別することになり、一歩進めれば持物や印を見ただけでその仏が想像できるようになります。
しかし初めて見た人でしたらこれらの物の意味が分かりませんが、曼荼羅の世界を知るようになればだんだんと分かってくるようになります。
私達が仏の世界を理解しようとすれば形あるものから始めていき、次に抽象的な物に変えていって、最終的には形にさえこだわらなくするのです。
三昧耶とは
三昧耶とはサンスクリットでサマヤ(samaya)と言い「約束」、「契約」などを意味しており、仏の特徴を表す象徴物が経典によって予め「取り決められている」事を意味します。
仏を表す約束事が決まっていることで、仏の持ち物や組んでいる印だけでもその仏を表すことになります。
三昧耶会の機能
三昧耶会は仏の持物であったり印の組み方の集合体です。
三昧耶会の諸尊
大日如来を中心として東西南北に大日如来の四つの智慧を表す阿閦如来、宝生如来、阿弥陀如来、不空成就如来が配置され、成身会の配置とほぼ同じです。
賢劫の千仏は賢劫十六尊に置き換えられて、外郭内の四神・四摂の間に入っています。
- 大日如来
- 金剛波羅蜜菩薩
- 宝波羅蜜菩薩
- 法波羅蜜菩薩
- 業波羅蜜菩薩
- 阿閦如来
- 金剛喜菩薩
- 金剛愛菩薩
- 金剛薩捶
- 金剛王菩薩
- 宝生如来
- 金剛光菩薩
- 金剛笑菩薩
- 金剛幢菩薩
- 金剛宝菩薩
- 阿弥陀如来
- 金剛法菩薩
- 金剛利菩薩
- 金剛語菩薩
- 金剛因菩薩
- 不空成就如来
- 金剛牙菩薩
- 金剛業菩薩
- 金剛護菩薩
- 金剛拳菩薩
- 金剛嬉菩薩(金剛戯菩薩)
- 金剛鬘菩薩
- 金剛歌菩薩
- 金剛舞菩薩
- 金剛香菩薩
- 金剛華菩薩
- 金剛燈菩薩
- 金剛塗菩薩
- 金剛鉤菩薩
- 金剛策菩薩
- 金剛鎖菩薩
- 金剛鈴菩薩
- 慈氏菩薩
- 不空見菩薩
- 滅悪趣菩薩
- 除憂闇菩薩
- 香象菩薩
- 大精進菩薩
- 虚空蔵菩薩
- 智幢菩薩
- 無量光菩薩
- 賢護菩薩
- 光網菩薩
- 月光菩薩
- 無尽意菩薩
- 辯積菩薩
- 金剛蔵菩薩
- 普賢菩薩
- 火神
- 水神
- 風神
- 地神
- 那羅延天
- 俱摩羅天
- 金剛摧(砕)天
- 梵天
- 帝釈天
- 日天
- 月天
- 金剛食天(金剛飲食天)
- 彗星天
- 熒惑天
- 羅刹天
- 風天
- 金剛衣天(金剛衣服天)
- 火天
- 毘沙門天
- 金剛面天
- 炎摩天
- 調伏天
- 毘那夜迦天
- 水天