成身会とは

成身会の写真

成身会(じょうじんね)とは大日如来の「智」の世界を表す金剛界曼荼羅における九つのブロックの中で中心にあり、行者の智慧が真理に目覚めていく過程を表しています。

金剛界曼荼羅の基本となる三十七尊を含む全1061尊が描かれていて、この会だけで完成された曼荼羅としての機能を持ち、羯磨会(かつまえ)あるいは根本会とも言います。

成身会の由来

成身会は「一切義成就菩薩」が五相成身観(金剛界曼荼羅の構造)を修して金剛界如来(毘盧遮那如来)の身を成就したことから、菩薩から如来となるその悟りへの過程を表現しています。

羯磨会とは

羯磨会とは、金剛界如来(毘盧遮那如来)の得た悟りの活動・展開を表しています。

根本会とは

根本会とは、この会(曼荼羅の部分)が金剛界九会曼荼羅の中心であることを示しています。

成身会の機能

成身会は独立した曼荼羅としての機能を持ちます。

成身会の諸尊

成身会の写真

大日如来を中心として東西南北に大日如来の四つの智慧を表す阿閦如来宝生如来阿弥陀如来不空成就如来が配置されています。

1.大日如来

大日如来

大日如来はサンスクリット語でマハー・ヴァイローチャナと言い、「優れて遍く光明を照らす者」という意味があります。

五智如来と言われる大日如来、阿閦如来、宝生如来、阿弥陀如来、不空成就如来の「五仏」の中心の役割。

「五仏」の本性である「五智」(法界体性智・大円鏡智・平等性智・妙観察智・成所作智)のうち「法界体性智」(真如・法如そのものの智)を本性とします。

2.金剛波羅蜜菩薩

金剛波羅蜜

金剛波羅蜜菩薩は阿閦如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた菩薩です。

金剛波羅蜜はサンスクリット語でヴァジュラ・パーラミターと言い、波羅蜜(パーラミター)は「最高に至る」「彼岸に至る」「悟りを開く」などの意味があります。

金剛波羅蜜とは「堅固なる菩提心により悟りに至る」の意味。

3.宝波羅蜜菩薩

宝波羅蜜菩薩

宝波羅蜜菩薩は宝生如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた菩薩で、智慧の宝によって奉仕します。

宝波羅蜜菩薩はサンスクリット語でラトナ・パーラミターと言い「智慧の財によって高みに達した者」という意味があります。

4.法波羅蜜菩薩

法波羅蜜菩薩

法波羅蜜菩薩は阿弥陀如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた菩薩で、法としての智慧の自性清浄なるを以て奉仕します。

法波羅蜜菩薩はサンスクリット語でダルマ・パーラミターと言い「法によって高みに達した者」の意味があります。

5.業波羅蜜菩薩

業波羅蜜菩薩

業波羅蜜菩薩は不空成就如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた菩薩で、衆生済度の利他行の実践行を以て奉仕します。

業波羅蜜菩薩はサンスクリット語でカルマ・パーラミターと言い「実践行によって高みに達した者」の意味です。

6.阿閦如来

阿閦如来

阿閦如来はサンクリット語でアクショーブヤと言い、「不動の」「揺るがない」という意味で、悟りの境地が堅固でゆるぎないという意味です。

7.金剛喜菩薩

金剛喜菩薩

金剛喜菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・サードゥと言い、「堅固なる善哉」「歓喜王という金剛」という意味です。

一切如来の「大歓喜」の三昧耶として現れて、私達衆生の迷妄を取り除いて喜びに変える菩薩です。

8.金剛愛菩薩

金剛愛菩薩

金剛愛菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・ラーガと言い、「堅固なる貪愛」「摩羅という金剛」という意味です。

一切如来の「貪愛の智慧」の三昧耶として現われて、本来は自性清浄の境地である貪愛の智慧によって、愛欲を離れて清浄にする菩薩です。

9.金剛薩捶

金剛薩捶

金剛薩捶はサンスクリット語でヴァジュラ・サットヴァと言い、「金剛杵をもつ者」の意味です。

金剛薩捶は大日如来から直接教えを受けた第二祖として崇められ、私達衆生の代表として大日如来からの説法を聞くという立場と、大日如来の説法を衆生に伝えるという立場を持っています。

10.金剛王菩薩

金剛王菩薩

金剛王菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・ラージャと言い、「堅固なる王」という意味です。

一切如来の鉤召の三昧耶として現われて、堅固な鉤(カギ)で衆生をを引き寄せて済度する菩薩。

11.宝生如来

宝生如来

宝生如来はサンスクリット語でラトナ・サムバヴァと言い、「慧財を生み出す者」という意味です。

修行にょって得た慧財を衆生済度のために使う菩薩です。

12.金剛光菩薩

金剛光菩薩

金剛光菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・テージャと言い、「堅固なる威光ある者」という意味です。

一切如来の光輪の三昧耶として現われて、衆生を照らして無知迷妄の闇を破る菩薩。

13.金剛笑菩薩

金剛笑菩薩

金剛笑菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・ハーサと言い、「堅固なる笑みの者」という意味です。

一切如来の笑の三昧耶として現われて、一切如来を歓喜して衆生済度する菩薩。

14.金剛幢菩薩

金剛幢菩薩

金剛幢菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・ケートゥと言い、「堅固なる標旗をもつ者」という意味です。

一切如来の衆生利益の三昧耶として現われて、如意宝珠を先端につけた旗を持ち、一切衆生の意願を成就する菩薩。

15.金剛宝菩薩

金剛宝菩薩

金剛宝菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・ラトナと言い、「堅固なる宝を行う者」という意味です。

一切如来の大潅頂の三昧耶として現われて、無量無辺の衆生に宝を授ける菩薩。

16.阿弥陀如来

阿弥陀如来

阿弥陀如来はサンスクリット語でアミタ・アーユス、またはアミタ・アーバと言い、「尽きることのない寿命ある者」「尽きることない光輝ある者」の意味です。

西方極楽浄土の主であり、脇侍としての観音菩薩勢至菩薩を従えて白い雲に乗って死者を迎えに来るという阿弥陀三尊の来迎図が平安時代の浄土信仰の影響で盛んに描かれました。

17.金剛法菩薩

金剛法菩薩

金剛法菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・ダルマと言い、「堅固なる法の光明をもつ者」という意味です。

一切如来の金剛法の三昧耶として現われて、衆生に対して諸法が本来清浄であることを示す菩薩。

18.金剛利菩薩

金剛利菩薩

金剛利菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・ティークシュナと言い、「堅固なる利剣をもつ者」という意味です。

一切如来の智慧の三昧耶として現われて、智慧の利剣を持って衆生の迷いを切り裂く菩薩。

19.金剛語菩薩

金剛語菩薩

金剛語菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・ヴァーシャと言い、「堅固なる言葉をもつ者」という意味です。

一切如来の言葉の三昧耶として現われて、真言を持って衆生に対して正しい法を示す菩薩。

20.金剛因菩薩

金剛因菩薩

金剛因菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・ヘートゥと言い、「堅固なる因をもつ者」という意味です。

一切如来の転法輪智の三昧耶として現われて、菩提心を因として悟りを得て更に法輪を転ずる菩薩。

21.不空成就如来

不空成就如来

不空成就如来はサンスクリット語でアモーガ・シッディと言い、「確かな成就ある者」という意味です。

何事ももらさずに成し遂げること、何ごとにもとらわれずに実践する如来です。

22.金剛牙菩薩

金剛牙菩薩

金剛牙菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・ヤクシャと言い、「薬叉のように堅固な牙をもつ者」という意味です。

一切如来の方便の三昧耶として現われて、堅固な牙で諸魔を砕き、救い難い衆生をも救う菩薩。

23.金剛業菩薩

金剛業菩薩

金剛業菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・カルマと言い、「堅固なる活動を行う者」という意味です。

一切如来の供養の活動の三昧耶として現われて、諸仏を供養し衆生を救済する活動を行う菩薩。

24.金剛護菩薩

金剛護菩薩

金剛護菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・ラクシャと言い、「堅固な守護をする者」という意味です。

一切如来の堅固な甲冑の三昧耶として現われて、堅固に衆生を護る菩薩。

25.金剛拳菩薩

金剛拳菩薩

金剛拳菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・サンディと言い、「堅固な拳印をもつ者」という意味です。

一切如来の拳印の三昧耶として現われて、堅固なる拳印で衆生を救済する菩薩。

26.金剛嬉菩薩(金剛戯菩薩)

金剛嬉菩薩(金剛戯菩薩)

金剛嬉菩薩(金剛戯菩薩)はサンスクリット語でヴァジュラ・ラースヤーと言い、「堅固な遊戯・愛楽をなす者」という意味です。

一切如来の安楽の三昧耶として現われて、遊戯・愛楽の歓びで供養を行う菩薩。

27.金剛鬘菩薩

金剛鬘菩薩

金剛鬘菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・マーラーと言い、「堅固な華鬘をもつ者」という意味です。

一切如来の鬘の三昧耶として現われて、宝鬘で供養を行う菩薩。

28.金剛歌菩薩

金剛歌菩薩

金剛歌菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・ギーターと言い、「堅固な歌詠をもつ者」という意味です。

一切如来の歌詠の三昧耶として現われて、歌詠や偈頌で供養を行う菩薩。

29.金剛舞菩薩

金剛舞菩薩

金剛舞菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・ヌリトヤーと言い、「堅固な舞踊をもつ者」という意味です。

一切如来の舞踊の三昧耶として現われて、舞踊で供養を行う菩薩。

30.金剛香菩薩

金剛香菩薩

金剛香菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・ドゥーパーと言い、「堅固な焼香をもつ者」という意味です。

一切如来の智慧としての香の三昧耶として現われて、智慧としての香で供養を行う菩薩。

31.金剛華菩薩

金剛華菩薩

金剛華菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・プシュパーと言い、「堅固な華をもつ者」という意味です。

一切如来の荘厳の三昧耶として現われて、華で供養を行う菩薩。

32.金剛燈菩薩

金剛燈菩薩

金剛燈菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・アーローカーと言い、「堅固な燈明をもつ者」という意味です。

一切如来の法による燈明の三昧耶として現われて、燈明で供養を行う菩薩。

33.金剛塗菩薩

金剛塗菩薩

金剛塗菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・ガンダーと言い、「堅固な塗香をもつ者」という意味です。

一切如来の五分法身(戒・定・慧・解脱・解脱知見)の三昧耶として現われて、塗香で供養を行う菩薩。

34.金剛鉤菩薩

金剛鉤菩薩

金剛鉤菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・アンクシャと言い、「堅固な鉤(カギ)をもつ者」という意味です。

一切如来たちを鉤引する引摂の三昧耶として現われて、堅固な菩提心で衆生を悪趣から引き出して、曼荼羅世界に導く菩薩。

35.金剛策菩薩

金剛策菩薩

金剛策菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・パーシャと言い、「堅固な羂策をもつ者」という意味です。

一切如来たちを引入する引摂の三昧耶として現われて、慈悲心で衆生を曼荼羅世界に導き入れる菩薩。

36.金剛鎖菩薩

金剛鎖菩薩

金剛鎖菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・スポータと言い、「堅固に破裂・発露する者」という意味です。

一切如来たちを結縛する引摂の三昧耶として現われて、衆生を仏道に固く留め、曼荼羅世界に導く菩薩。

37.金剛鈴菩薩

金剛鈴菩薩

金剛鈴菩薩はサンスクリット語でヴァジュラ・アーヴェーシャと言い、「堅固に召入する者」という意味です。

一切如来たちを召入する引摂の三昧耶として現われて、鈴の音が響き渡るように全ての衆生を曼荼羅世界に導く菩薩。

38.火神

火神

火神はサンスクリット語でアグニと言い、「火神」「火天」の意味です。

四方天の時にはで東南の方向を守り、八方天・十二天の一でもあります。

火は供物を天上に届けたり、厄災を消滅したりの効用があり、護摩、柴燈護摩、焚き上げ供養などで宗教的にも古くから利用されています。

39.水神

水神

水神はサンスクリット語でヴァルナと言い、「水神」「水天」の意味です。

四方天の時にはで南西の方向を守り、八方天・十二天の一でもあります。

40.風神

風神

風神はサンスクリット語でヴァーユと言い、「風神」「風天」の意味です。

四方天の時にはで北西の方向を守り、八方天・十二天の一でもあります。

41.地神

地神

地神はサンスクリット語でプリティヴィーと言い、「地神」「地天」の意。

四方天の時にはで北西の方向を守り、八方天・十二天の一でもあります。

42.賢劫の千仏

賢劫の千仏

賢劫の千仏は大日如来の五仏の化身として現れていて、曼荼羅の中では小さな仏が四角いタイルのように並べられています。

大日如来は過去、現在、未来の三世に渉って三千仏を出していて、その中でも現在(賢劫)の千仏を出しています。

成身会以外の他の会では、千仏を十六尊に代えています。

十六尊とは弥勒、不空見、滅悪趣、除憂闇、香象、大精進、虚空蔵、智幢、無量光、月光、賢護、光網、金剛蔵、無尽慧、弁積、普賢のことです。

43.那羅延天

那羅延天

那羅延天はサンスクリット語でナーラーヤナと言い、「原人神」「人種神」の意味です。

後に仏教の護法神となったヒンドゥーの神ビシュヌの化身ナーラーヤナであり、二十八部衆の一でもあります。

44.俱摩羅天

俱摩羅天

俱摩羅天はサンスクリット語でクマーラはと言い、「赤児」「童子」の意味です。

ヒンドゥー教の神スカンダ、大自在天(シヴァ神)の息子とされます。

執着の無い無邪気の徳を持っています。

45.金剛摧(砕)天

金剛摧(砕)天

金剛摧(砕)天はサンスクリット語でヴァジュラ・チンナと言い、「堅固な破砕をする者」の意味です。

毘那夜迦天の眷属であり、東方を守護し諸魔を打ち砕く役割を持っています。

46.梵天

梵天

梵天はサンスクリット語でブラフマンと言い、「宇宙の創造主」「大我」の意味があります。

仏教の護法神となったヒンドゥーの宇宙創造神であり、二十八部衆の一でもあります。

47.帝釈天

帝釈天

帝釈天はサンスクリット語でシャクラと言い、「強き者」の意味があります。

仏教の護法神となったヒンドゥーの神であり、東方を守ります。

三千大千世界の須弥山では忉利天(三十三天)の喜見城天に住むとされます。

48.日天

日天

日天はサンスクリット語でアーディトゥヤと言い、「太陽」の意味です。

仏教の護法神になったヒンドゥーの太陽神スールヤは日天の子と言われ、十二天の一でもあります。

49.月天

月天

月天はサンスクリット語でチャンドラと言い、「月神」「月天」の意味です。

仏教の護法神となったヒンドゥーの神チャンドラのことで、十二天の一でもあります。

50.金剛食天(金剛飲食天)

金剛食天(金剛飲食天)

金剛食天(金剛飲食天)はサンスクリット語でヴァジュラ・バクシャナと言い、「堅固な食をとる者」の意味です。

毘那夜迦天の眷属であり、南方を守る天でもあります。

51.彗星天

彗星天

彗星天はサンスクリット語でケートゥと言い、「彗星」「流星」「計都星」の意味があります。

九曜の一つである計都星の別称でもあります。

52.熒惑天

熒惑天

熒惑天はサンスクリット語でピンガラと言い、「黄褐色の・赤色の」の意味があります。

日天の眷属である火星のことです。

53.羅刹天

羅刹天

羅刹天はサンスクリット語でラークシャサと言い、「悪鬼」「羅刹」の意味があります。

仏教の護法神となったヒンドゥーの神ラークシャサのことです。

四方天、十二天の一でもあります。

54.風天

風天

風天はサンスクリット語でヴァーユと言い、「風神」「風天」の意味です。

仏教の護法神となったヒンドゥーの神ヴァーユのこと。

四方天、十二天の一でもあります。

55.金剛衣天(金剛衣服天)

金剛衣天(金剛衣服天)

金剛衣天(金剛衣服天)はサンスクリット語でヴァジュラ・ヴァーシンと言い、「堅固な居住・暮らしある者」の意味です。

毘那夜迦天の眷属であり、弓箭をもって愛欲の本性清浄を示す天です。

56.火天

火天

火天はサンスクリット語でアグニと言い、「火神」「火天」の意味です。

四方天の時にはで東南の方向を守り、八方天・十二天の一でもあります。

火は供物を天上に届けたり、厄災を消滅したりの効用があり、護摩、柴燈護摩、焚き上げ供養などで宗教的にも古くから利用されています。

57.毘沙門天

毘沙門天

毘沙門天はサンスクリット語でヴァイシュラヴァナと言い、「多くを聞く者」という意味です。

仏教の護法神となったヒンドゥーの神ヴァイシュラヴァナのことです。

四天王、十二天の一、二十八部衆の一でもあります。

58.金剛面天

金剛面天

金剛面天はサンスクリット語でヴァジュラ・ムカと言い、「堅固なる顔・面相をもつ者」という意味です。

手にもつ鉤で諸魔を引き寄せる天です。

59.炎摩天

炎摩天

炎摩天はサンスクリット語でヤマと言い、「死界の死者を支配する者」「夜摩天」の意味があります。

仏教の護法神となったヒンドゥーの死神ヤマのことです。

十二天の一つで、閻魔大王でもあります。

60.調伏天

調伏天

調伏天はサンスクリット語でジャヤと言い、「打ち勝つ者」「調伏する者」の意味があります。

毘那夜迦天の眷属であり、剣を持つことで諸魔を調伏する天です。

61.毘那夜迦天

毘那夜迦天

毘那夜迦天はサンスクリット語でヴィナーヤカと言い、「障害の除去者」「善導」の意味があります。

ヒンドゥーの神ヴィナーヤキャ、或いは頭部が象のガネーシャのことです。

62.水天

水天

水天はサンスクリット語でヴァルナと言い、「水神」「水天」の意味です。

四方天の時にはで南西の方向を守り、八方天・十二天の一でもあります。

五仏とは

五仏とは1.大日如来、6.阿閦如来、11.宝生如来、16.無量寿如来、21.不空成就如来のことで、大日如来の五つの智慧の働きを示しています。

法界体性智

法界体性智(ほっかいたいしょうち)とは、1.大日如来の智慧のことで、大日如来は中央に位置しています。

真理の世界の本性を明らかにする智慧は、宇宙の自然界の現象が、そのまま如来の意思と姿であることを示しています。

大円鏡智

大円鏡智(だいえんきょうち)とは、6.阿閦如来の智慧のことで、阿閦如来は中央の大日如来に対して東に位置しています。

鏡に映るように全てものを、そっくりそのまま映している智慧のことです。

平等性智

平等性智(びょうどうしょうち)とは11.宝生如来の智慧のことで、宝生如来は中央の大日如来に対して南に位置しています。

全てのものが平等であると見通すことのできる智慧のことです。

妙観察智

妙観察智(みょうかんざつち)とは16.無量寿如来のことで、無量寿如来は中央の大日如来に対して西に位置しています。

皆違った特徴・個性があると見通す智慧のことです。

成所作智

成所作智(じょうそさち)とは21.不空成就如来のことで、不空成就如来は中央の大日如来に対して北に位置しています。

なすべき事を成し遂げる智慧のことです。