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閉眼供養とは何ですか?
閉眼供養とは抜魂(ばっこん)供養、お性根抜き、魂抜きなどと言い、仏像や位牌などから魂を抜いて天にお還しすることで、神仏や霊が天から降りて来る機能を止める事です。
閉眼供養は何時する?
閉眼供養で仏像や位牌などの魂を抜くのは大きく分けて不要になった時と、仏像やお墓などの移動や修理をする時です。
仏像の移動や修理のために閉眼供養したらすぐに補修作業に取り掛かり、作業が済み次第、開眼供養します。
不要になった時
仏像は寺院では大変に高価な物であり、また宝物として伝えられてきた仏像もありますので、不要になるようなことは無く、古ければ古いほど価値を帯びてくるもので、古くなったからと言って買い替えるようなことはしませんし、壊れるようなことがあっても修理することが原則です。
一般の家庭では仏壇を買い替えたり、故郷の両親が共に亡くなって家を解体するような時に、仏像や位牌などが不要になります。
お墓に関しては後継者が居なくなってお祀りする人が居なくなり、墓じまいする時に不要になりますので処分、解体します。
不要になった仏壇、仏像、位牌などは閉眼供養して魂を抜いてからお焚き上げ供養します。
移動や修理をする時
仏像を修理する時や遠方に移動するような時には必ず閉眼供養をします。
修理する時には部品を取り外したり削ったりなどの補修作業をするからであり、仏像と言えどもまるで外科手術のようにバラバラになったり削られたり、時には逆さまにされたりなどのことをするのに、魂が入ったままでは大変に失礼な事になるからという意味で閉眼供養してから作業するのです。
しかし仏師は信心深い人ばかりで、閉眼供養されているからと言って乱暴な扱いや粗末な扱いは決して致しません。
車に積んで遠方に移動する時には木箱に入れられて緩衝材を巻き付けたりしますし、場合によっては一部の部品を取り外してから梱包したりしますので、こういう時も失礼にならないようにと閉眼供養するのです。
閉眼供養する対象
閉眼供養する対象としては魂が入っている物全てが対象になります。
- 仏壇
- 仏像
- 神像
- 位牌
- お墓
- 供養塔
- 掛け軸
- お社
などが対象となり、この中では私達に最も馴染みが深いものとして、仏壇の中の仏像や位牌は後継者が居なくなれば閉眼供養ということになり、お墓にしても同様に後継者が居なければ閉眼供養、墓じまいということになります。
誰が閉眼供養する?
閉眼供養は寺院の僧侶が行いますが、神道でも人が亡くなったら家の守り神になるとうことで祖霊舎には先祖の位牌である霊璽を作ってお祀りしますので神主さんでも行います。
しかしながら供養として人を呼んで儀式を行うのは仏式の方が機会が多く、仏教では閉眼供養の作法がその対象によって細かく決まっていることなどから、僧侶の仕事であるという認識を持たれています。
閉眼供養の儀式の流れ
閉眼供養は次のような流れで行われます。
儀式ですので、正装で参加する事が好ましく、お焚き上げとしての閉眼であっても、供養の前には供養の品は綺麗に掃除しておくことが大切です。
閉眼供養の御布施
閉眼供養の御布施としては寺院で決まっている時にはそれに従います。
一般的な御布施として開眼供養や閉眼供養の御布施は2~5万円で、平均的には3万円程度です。
場合によっては車料が1万円程度必要なこともあります。
白黒、白黄、銀黒の水引の不祝儀袋に「御布施」「読経料」「御礼」、そして自分の名前も書いて読経が終了してお帰りになる時にお渡しします。
閉眼供養に必要な物
閉眼供養の時に必要な物は、神仏や霊に対しての御供え物であり、一般的には花、香、水、米、酒、塩等の他に果物、団子、菓子などが加わることがあります。
お墓の閉眼供養
最近は後継者の居ない方が墓じまいをすることが増えて、その時に僧侶に閉眼供養のために来てもらう機会が増えてきました。
お墓の閉眼供養に必要な物は寺院や宗旨宗派によって違いがありますので、何が必要であるか聞いておきましょう。
お墓の閉眼供養では、通常のお花やお線香などのお墓参りに必要な物はもちろんですが、その他に米、酒、塩、団子などが必要なこともあり、それは僧侶が持って来てくれることもありますが、依頼主の方の準備となることもあります。
閉眼供養が済んだら
仏像の補修などで閉眼供養した場合にはすぐに補修に取り掛かります。
仏壇や位牌などが不要になって閉眼供養した場合にはなるべく早くお焚き上げに出しましょう。