広目天とは
広目天は梵名を「ヴィルーパークシャ」と言い、「特殊な能力の眼を持った者」という意味で、仏国土の東西南北を守護する四天王と言われる天の中でも西方を護る役目を果たします。
別名を毘楼博叉とも呼ばれていて、十六善神にも加えられています。
増長天の居所
欲界六欲天の第一界には四天王の世界があります。
世界の中心にそびえる須弥山の中腹の四方を居所とし、山頂の宮殿である帝釈天に仕えて、四方の四州を守護しています。
広目天は白銀埵(はくぎんた)に住み、四州の中でも西牛貨洲(さいごけしゅう)を守護していると言われます。
広目天の特徴
広目天は他の四天王と同じく鎧兜に身を固めて仏法を守護する戦士の姿をしています。
足元には邪鬼を踏んで煩悩を消滅させていますが、手には武器を持っていません。
右手に筆、左手に巻子を持っています。
四天王の区別の仕方
他の四天王とは持物で大体の区別が付きますが、絶対的な決まりはありません。
持物ととしては
広目天の功徳
四天王の中でも多聞天(毘沙門天)だけは特別で、単独でも信仰され、他の四天王が武器などを持っているのに対して広目天のみは筆と巻子を持っているのは、四天王が仏法を守護するために外敵を防ぐ役目をしていることと、私達の行いを見張っていて、正す役割を果たしていることによります。
広目天は私達の行動の善悪を筆で巻子に書いていると言われています。
広目天の御利益
広目天は何でも見通す神通力の眼を持っていることから広目天と言われます。
私達の行動は全て四天王に見られていて、四天王は私達が仏法から外れて悪の道に進まないようにして下さっているのですから、感謝しなければいけません。
天の世界は私達の住む世界と繋がっていることから、一つ上の天の世界の力は大いなるものです。
広目天は私達の行動の善悪を見ているのですから、悪いことをしてしまったら広目天に懺悔して救ってもらいましょう。
広目天の真言
広目天の真言は
- オン・ビロバクシャ・ナカヂハタエイ・ソワカ
広目天の神通力の眼で見れば善悪の正しい判断が出来ます。
私達に対して良く学び、正しく生きなさいと言っておられるのです。