須弥山とは

須弥山とは

古代インドの世界観では世界の中心には大海の中に浮かぶ山があり、須弥山と言い、上の方には神々が住むとされ、仏教にも影響を及ぼしています。

須弥山の由来

仏教、バラモン教、ジャイナ教、ヒンドゥー教が共通して持つ世界観であり、ヒマラヤ山脈には神々が降り立つ聖なる山とされていたことから、ヒマラヤ山脈を望む世界観が発展して神々と共に世界を構成する思想につながったのです。

仏教以前からの思想として存在していたことから、仏教にも自然と採り入れられた世界観なのです。

須弥山の構造

須弥山は大海の中に浮かぶ山ですが、その形は砂時計の形のように真ん中がくびれた形をしています。

風輪、水輪、金輪、地輪について

風輪、水輪、金輪、地輪について

無限の宇宙の拡がりの空間である「虚空」があって、その中に空気のような「風輪」が浮かんでいて、雨が降って「水輪」が出来て、更に水輪の成分が凝縮して「金輪」が出来、その上に地面の要素である「地輪」が出来た上に世界が乗っているのです。

金輪は大地に繋がって接している底にあたる部分なので、物事の最後の最後までということを「金輪際」と言われるようになりました。

山について

須弥山の山について

この世界の周りには鉄で出来ていると言われるとても硬い「鉄囲山」(てっちせん)と言われる山々が取り囲み、鉄囲山の中には八つの山と八つの海が交互にあって「九山八海」と言い、中央には「須弥山」(しゅみせん)が高くそびえています。

山は内側から

  • 須弥山
  • 持双山
  • 持軸山
  • 檐木山
  • 善見山
  • 馬耳山
  • 象耳山
  • 尼民達羅山
  • 鉄囲山

これらの山はいずれも円形になっていて繋がっていることが特徴で、一番外側の鉄囲山から須弥山にたどり着くには、いくつもの山と海を越えなければいけません。

海について

須弥山の海

須弥山から尼民達羅山までの間は、八種類のすぐれた特質を具えた水、八功徳水(はっくどくすい)で満たされています。

八功徳水は極楽浄土に流れている水とも言われ、清浄な水なのです。

八功徳水の八つの功徳とは

  • 甘(甘い)
  • 冷(冷たい)
  • 柔(やわらかい)
  • 軽(軽い)
  • 清浄(清い)
  • 無臭(くさくない)
  • 飲時不損喉(のどを痛めない)
  • 飲已不傷腹(飲み已って腹を痛めない)

須弥山と最初の山脈との間の海だけ須弥海と呼びます。

四つの州

須弥山の四つの州

周囲の鉄囲山(てっちせん)が浮かぶ海水には、須弥山に向かって東に半月形の毘提訶洲(びだいかしゅう)、南に三角形の贍部洲(えんぶしゅう)、西に満月形の牛貨洲(ごけしゅう)、北に方座形の倶盧洲(くるしゅう)がある。南にある贍部洲は我々が住んでいる州になります。

須弥山の中

須弥山中腹には日天と月天がまわっていて、須弥山の高さは八万由旬と言われて、中腹には四大王天が住んでいて東西南北に位置する四洲を守っています。

さらにその上の山頂の忉利(とうり)天には善見城があり帝釈天が住んでいます。

須弥山には甘露の雨が降っていて、甘露の雨により須弥山に住む天たちは食べ物を食べなくても空腹を満たすことが出来るそうです。

三千大千世界とは

三千大千世界

須弥山を中心とした日・月・四大州・六欲天・梵天などを含む世界を一世界として、一世界が千個集まった世界を小千世界、更に小千世界が千個集まった世界を中千世界とし、更に中千世界が千個集まった世界のことを三千大千世界と言います。