龍猛菩薩とは

龍猛菩薩

龍猛菩薩(りゅうみょうぼさつ)は大日如来の直弟子の金剛薩埵(こんごうさった)より真言の法を授かった人間界に於ける第一祖となります。

龍猛菩薩の経歴

南インドのバラモンの家に生まれて若い時にバラモン教を学び、欲望が苦しみの元であることを悟ってからは欲望を捨ててヒマラヤ山中に行き、あらゆる教えを記憶した後に南インドに戻り鉄塔の中に入って大日如来の直弟子の金剛薩埵から曼荼羅の法を受けたとされます。

龍樹との関係

龍樹はサンスクリット語でナーガールジュナと言い、2世紀に生まれたインド仏教の僧ですが、「中論」を基本経典とする中観派の祖であり、蓮如以後の浄土真宗では全ての大乗仏教の祖師と言われています。

龍樹は龍猛とも言われて同一人物だとされますが、具体的には不明な部分が多く、はっきりとしたことは分かりません。

龍樹は「空」の理論を大成させた「中論」を著したことで有名ですが、別の龍樹が居た、或いは龍猛が居たなどの議論があり、密教を説いたかどうかは定かではありません。

龍猛菩薩の姿

龍猛菩薩は八祖として描かれる時には手に三鈷杵を持っていて、もう一方の手は衣の裾を握っています。

法具としての三鈷杵は、行者の身口意の三業が大日如来の身口意の三密につながるための法具です。

衣の裾を握っているのは、強い意思を表します。

菩薩の位

真言宗の伝持の八祖の中でも龍猛菩薩が最初に来て、しかも菩薩の位であるのは、金剛薩埵という菩薩から法を授かったからであり、人としての修行の結果として菩薩の位になったということなのです。