埋蔵経とは

埋蔵経

埋蔵経とは山中や洞窟などに埋蔵された経典は、それが必要な時代になれば発見されるという考えのもとに埋蔵された経典のことです。

チベットの埋蔵経典

死者の書

チベット密教の祖師であるパドマサンバヴァ(8世紀)が霊的な啓示を受けて書き出した「チベット死者の書」は正しくは「深遠なるみ教え、寂静尊と憤怒尊を瞑想することによるおのずからの解脱」と言い、弟子のイェシェツォギェルによってガムボタル山に埋蔵したとされる「埋蔵経」です。

死者の書は今でも死者の枕元で詠まれる経典で、死後の世界の詳細を案内することに依り、死者を解脱させるため、そして良い生まれ変わりに導くために四十九日かけて詠まれる経典です。

我が国の埋蔵経

安養寺経瓦

仏法には「末法思想」というものがあって、釈迦が説いた正しい教えが世で行われ修行して悟る人がいる時代(正法)が過ぎると、次に教えが行われても外見だけが修行者で悟る人がいない時代(像法)が来て、その次には正法が全く行われない時代(末法)が来ると言われています。

末法は平安時代から既に始まっているとされ、特に1052年(永承7年)は末法元年とされたことから全国的に「経塚」が造営されました。

経塚とは法華経を刻んで焼いた瓦を土中に埋葬したもので、仏法が滅びてしまっても何時の時代にかまた発見されて広がっていきますようにとの願いが込められていたのです。

寺院の裏山などで発見されることが多く、千年程度経過していても比較的程度の良い状態で発掘されています。

上の写真は倉敷市朝原山安養寺裏山で発見された平安時代の経塚の瓦経(法華経)です。

仏法を伝えること

仏法を伝えること

仏法は釈迦が悟りを開いた時に体得した真実の教えで、時間と空間を超えて不変の教えであり、私達の悩み苦しみを取り除き、仏になるための教えの大切さに気付いた人達は命がけで次の世代に伝えていったのです。

法の灯

法の灯

埋蔵経はたとえ私達人類が滅びるようなことがあっても、大切に守り続けてきた法の灯だけは消さぬようにとの先人たちの努力の結晶なのです。

諸行無常の世の中で自分たちもやがては消え去る運命にあるのが分かっていても、大切な物を残していきたい、伝えていきたいという気持ちにさせてくれるのが法の灯なのです。

法の灯には自分たちは滅びても法の灯だけは決して消さないという強い思いが込められているのです。

今の時代の伝え方

スマホのイラスト

平安時代から言われていた末法の時代は今の時代に言われることは無くなりましたが、それでも世の中は混乱と闘争が続き、新型コロナのような世界的疫病で多くの死者が出ています。

終わることのない末法の世の中ですが、世界中の情報が瞬時に手に入り、一人一人が情報を世界中に発信する時代にあって、法というものは埋蔵されなくとも世界中を駆け巡っているのです。

但し間違った情報も多いので、正しい仏法を伝えていくという事が大切なことになるのです。

今の時代の情報は、素晴らしいと共感したらあっという間に拡散していきます。

そういう意味では正しい情報を発信し続けなければいけません。