雛人形とは
雛人形は宮中での結婚式の様子を表したもので、天皇皇后のように理想的で幸せな家庭を築いて欲しいという思いを人形に託して、3月3日のひな祭りに合わせて初節句を迎える女の子の家に贈り、毎年飾るものです。
厄払い
人形には人の身代わりとしてその人の穢れを受けるという働きがあるとされ、人の穢れを受けるものを形代(かたしろ)、人の形を模した形代を人形代(ひとかたしろ)と言い、人の罪や穢れを取った人形代を海や川に流すことによって浄められるという風習が古代より続いています。
人の罪や穢れを取り除くことをお祓い或いは厄払いと言い、払うとは体にゴミが付いた時に手でパンパンと払ったり綺麗な水で洗えば綺麗になりますが、人の罪や穢れを雛人形に移して川や海に流すことで浄化するのです。
雛人形の役割
夫婦にとって子供は宝物であり、我が子に病気や怪我がなく元気に育って欲しいと願うものです。
男の子の健やかな成長を願っての行事が五月五日の端午の節句で、女の子の健やかな成長を願っての行事が桃の節句、雛祭りです。
雛祭りでは雛人形を飾り、雛あられ、菱餅、桜餅などを食べて祝います。
雛人形は宮中の結婚式の様子を表したもので宮中の優雅な生活が再現され、天皇皇后は日本国民の象徴であり幸せな家族でもありますから、元気に育って幸せな家庭を築いて欲しいと願う気持ちが込められているのです。
雛人形は何歳まで飾る
雛人形を飾るのに何歳までという決まりは特にありません。
雛人形の目的が女の子の厄を取ることだと思えば何時まで飾っていても構いませんし、大人になるまでと思えば18歳まで、幸せな家庭を築くことだと思えば結婚するまでです。
女の子の健やかな成長を願う縁起物として女方の親から贈られることが多く、高価な贈り物ですから飾らないと悪いという思いもあって飾り続けるのが本音かもしれません。
雛人形が不要になったら
雛人形を飾る必要が無くなっても案外押し入れの中に仕舞ったままにしていることが多く、家を処分する時に出てくるようなことがありますが、必要なくなった時にはどのようにしたら良いのでしょうか。
雛人形の処分
雛人形はほとんどの自治体では可燃ごみとして処分することが出来ますが、ガラスケースに入っている場合にはガラスを不燃ごみ、雛人形を可燃ごみとして出します。
雛人形が可燃ごみであるか不燃ごみであるかは自治体によって決められていますので、自治体の取り決めに従って出しましょう。
材質としては布や木の他に金属、陶器、ガラス、樹脂などが使われていることもあり、厳密に仕分けすることは困難ですし、雛人形を解体するようなことは心理的に出来ないものです。
雛人形のお焚き上げ
雛人形は子供の代りとなって厄を吸い取ってくれるという役目を果たしてくれたのですから、人形に感謝すると共に厄を浄化して天にお還しするにはお焚き上げ供養の利用が理想です。
捨てるという事にためらいを感じるようでしたらお焚き上げ供養を利用すれば粗末になることなく、感謝の気持ちでお見送りすることが出来るのです。