数珠の房替え、紐替え
真言宗では供養や法要の開始時や終了時などに数珠を擦り合わせる所作を行うことから、数珠の紐や房の消耗が激しく、時には切れてしまうことがあるので、長く使いたい数珠は数珠屋で行っている房替え、紐替えを利用しましょう。
数珠は長く使うもの
毎朝の勤行の時に必ず使う数珠は真言の数を数えるだけでなく、魔除け、護身、浄化などの使い方がありますので、使い込めば使い込むほどに念のこもった味わい深い雰囲気が出てきます。
どんなに辛い時でも祈りと信仰の力で乗り越えてきた同士とも言える数珠は大切に使い続ければ何時の間にかパートナーのような存在になるはずです。
数珠が切れたら縁起が悪い!?
昔から数珠が切れたら縁起が悪い、悪いことが起こるなどと言われます。
結婚式のスピーチで言ってはいけない忌み言葉として「失う、別れる、切れる、去る、壊れる、捨てる、離れる、終わる」などの中に「切れる」が入っているように、「切れる」は縁が切れるということに繋がりますので、縁起が悪いという事なのです。
しかし数珠が悪い縁を切ってくれたとも言われますので、悪いことが起こる身代わりとして切れてくれたと思えばとても有難い事なのです。
数珠の房替え、紐替え
上の写真の数珠は私が35年程使い続けているもので、星月菩提樹と呼ばれる数珠であり、最初の頃は色がまだ白っぽかったのですが、使い続けるうちに濃い茶色になりました。
実はこの数珠の房替え、紐替えは15年ほど前に一度行ったのですが、使い続けるうちに中の紐が切れそうになっていましたので、屋外で切れてしまいますと珠の回収が困難になりますので、切れないうちに数珠屋に修理を依頼いたしました。
私の数珠は尺3寸と呼ばれるもので、高野山の中本名玉堂に依頼しましたが、数珠の房替え、紐替えの費用は6,500円と送料でした。
数珠の房替え、紐替えの流れは
- 数珠屋に修理品の数珠を送る旨連絡
- 配達履歴の残る方法で数珠を送る
- 2~3週間ほど待つ
- 完成した数珠が送られてくる
- 振り込み用紙が入っているので郵便局にて振り込む
もうこれで多分数珠の房替え、紐替えは最後になると思いますが、師僧から頂いた物だけに大切に使い続けたいと思います。