目次
使いとは
使いとは神仏が動物や分身などを自分の代りに衆生の救済に行かせること。
使いの動物
神仏の使いの動物は
大黒天とネズミ
日本書紀には大国主がスサノオの娘の須勢理毘売命(スセリビメ)に求婚した時に、スサノオの計略によって焼き殺されそうになった時に鼠が助けたという説話があることから、大黒天の使いはネズミであると言われています。
大黒天は豊穣の神として米俵の上に乗りますが、米を食べるネズミも管理していると言われています。
大黒天の黒は陰陽五行では北の方向を指し、子の方向になるからネズミだとも言われています。
稲荷神とキツネ
倉稲魂(うかのみたま)を祀る神道系の稲荷と荼吉尼天(だきにてん)を祀る仏教系の神仏習合により荼吉尼天が乗るジャッカルがキツネになったとされます。
春日神とシカ
春日神社は710年藤原不比等が春日の三笠山に 藤原氏の氏神である建御雷之男(たけみかづち)を祀ったことに始まり、768年には藤原不比等の孫の藤原永手が現在の地に社殿を建立し、茨城の鹿島神宮より武甕槌命(たけみかづちみこと)、千葉の香取神宮より経津主命(ふつぬしみこと)、大阪の枚岡神社より天児屋根命(あめのこやねみこと)、 姫大神(ひめのおおかみ)の4柱を移した時に、鹿島の神が白い鹿に乗ってきたという伝承から鹿が使いになりました。
天神とウシ
天神様の祭神である菅原道真(すがわらのみちざね)の神号が「天満大自在天神」であることから、「大威徳明王」のことであり、大威徳明王は牛に乗った明王であることから来ている。
熊野神宮と八咫烏
古事記や日本書紀の記述によれば、 神武天皇が熊野から山をわけて大和へ侵攻した時に、八咫烏(やたがらす)が道案内したことで紀伊の山中を突破して無事に大和に入ることが出来たので八咫烏が熊野の神の使いとされます。
八咫烏は家紋にもなっています。
伊勢神宮とニワトリ
神代の頃に神々が集う高天原(たかまのはら)と言う所で、天照大神が弟の素盞嗚命(スサノオノミコト)が暴れまわることに憂いて天岩戸(あまのいわと)に隠れたことで世の中が暗黒の世界になった時に、天岩戸から天照大神を誘い出すために神々が集って最初に実行したのがニワトリを鳴かせて朝だと思わせることでした。
天照大神は太陽神であり、ニワトリは太陽が出ると共に鳴きだすので天照大神の使いなのです。
弁財天とヘビ
ヒンドウー教の三大最高神の一人ブラフマー(梵天)が、妻とすべき女性をサラスヴァティ河の水から作ったので弁財天は水の神であると言われていて、水場を好む蛇、或いは龍神を使うとされます。
宇賀神とは我が国で中世以降に庶民の間で信仰された蛇や龍の化身とされる神で、翁面蛇体の宇賀神を頭の上にいただく姿の弁才天が信仰されています。
八幡神とハト
八幡神である応神天皇の神霊は宇佐の山頂の巨石から金色の鷹となつて出現し、その後鍛冶の老翁に、そして三歳の童子に変身し、最後に金色の鳩に変わったとされます。
毘沙門天とトラ
毘沙門天の使いは寅(虎)です。その由来は聖徳太子が信貴山朝護孫子寺で物部守屋討伐の為に祈願したところ、寅の年の寅の日、寅の刻に毘沙門天が出現して勝利の秘宝を授けたとの伝承が有名です。
虎は1日千里を走ると言われ、動物としての力強さを持つと共に、神の化身としての神秘さも兼ね備えます。
毘沙門天は命と金と時間の神であり、時間ということにおいては、寅の年、寅の日、寅の刻には毘沙門天に通じやすくなることから、願い事が叶うと言われているのです。