弁才天とは

弁財天

弁才天は七福神の中でも唯一、女神として存在し、琵琶を持った芸能の神として、或いは財宝の神として信仰されています。

弁才天の由来

弁財天

弁才天は「辯才天」「弁財天」「辨財天」などのように記載されますが、ヒンドゥー教の女神であるサラスヴァティーが仏教に採り入れられて、更に神仏習合によって神道にも取り入れられたことで、日本独自の神として広く信仰されています。

弁才天の姿と形

弁財天

弁才天は福徳円満、中国の貴婦人の衣装を着けて頭には宝冠を戴き、琵琶とバチを持って演奏している姿が一般的ですが、「金光明最勝王経」では八臂の姿で美人であり、弓、矢、刀、長杵、鉄輪、羂索を持つとされます。

二臂の時には琵琶を持ってバチで演奏している姿であり、妙音天、美音天と呼ばれ、インドに於けるサラスヴァティーに近い姿になっています。

一般的な特徴としては

  • 女神である
  • 天女のような姿
  • 琵琶とバチを持つ

このような特徴があります。

宇賀弁才天

宇賀神とは我が国で中世以降に庶民の間で信仰された蛇や龍の化身とされる神で、翁面蛇体の宇賀神をいただく姿の弁才天が信仰され、十五童子を伴います。

十五童子にはそれぞれ本地仏が決まっていて、持物が違います。

童子と本地仏、持物の関係は

  • 印鑰童子(いんやくどうじ) 釈迦如来  宝珠
  • 官帯童子(かんたいどうじ) 普賢菩薩 帯紐
  • 筆硯童子(ひっけんどうじ) 金剛手菩薩 筆硯
  • 金財童子(きんざいどうじ) 薬師如来 秤糸
  • 稲籾童子(とうじゅうどうじ) 文殊菩薩 稲束
  • 計升童子(けいしょうどうじ) 地蔵菩薩 升
  • 飯櫃童子(はんきどうじ) 栴檀香仏 飯櫃
  • 衣裳童子(いしょうどうじ) 摩利支天 衣裳
  • 蠶養童子(さんようどうじ) 勢至菩薩 蚕器
  • 酒泉童子(しゅせんどうじ) 無量寿仏 酒杓
  • 愛慶童子(あいぎょうどうじ) 観世音菩薩 箭弓
  • 生命童子(せいめいどうじ) 弥勒菩薩 剣
  • 従者童子(じゅしゃどうじ) 龍樹菩薩 宝珠
  • 牛馬童子(ぎゅうばどうじ) 薬王菩薩 牛馬を牽く
  • 船車童子(せんしゃどうじ) 薬上菩薩 船車を牽く

弁才天の御利益

弁才天は芸能の神であり、芸事が上手くなる御利益があり、水に関連した財宝の神でもありますので、各地に「銭洗い弁天」の信仰があります。

弁才天の真言

弁才天の真言はヒンドゥー教の女神であるサラスヴァティーによります。

  • オン・ソラソバテイエイ・ソワカ

弁才天信仰

弁財天

弁才天は美人の女性の神として美しく華やかな存在でもあり、音楽や歌声により人々を和ませて、笑顔で多くの人を幸せにする神です。

芸能は人生を豊かにします

天界に行けばゆっくりとしたリズムの穏やかな音楽が流れ、そこに居る住人の心を和ませます。

光は淡い光で音は穏やか、良い香りが広がり、そのような世界では争いがなく、他を楽しませる者ばかりが集う場所なのです。

弁才天はいつも琵琶を演奏することにより、人日殿心を和ませると共に、豊かな財宝を提供することにより、幸せに満ちた環境を作り出しているのです。

弁才天と七福神

七福神のイラスト

七福神の中では紅一点の弁才天は、毘沙門天の妃である吉祥天と同じとも言われています。

お金は誰だって欲しい、銭洗い弁天ではお金をザルの中で洗いますが、綺麗なお金の使い方をしなさいよ、と説いているのであって、綺麗なお金の使い方をすればお金はまた必ず廻ってくるものですよ、という教えなのです。