布袋尊とは

布袋尊

布袋尊は七福神の中でも中国の実在の僧でありますが、詳しいことが分からないが不思議な伝承が伝わるという謎多き僧でもあります。

布袋尊の由来

布袋尊は実在の人物として本名は契此(かいし)と言い、常に頭陀袋を持って歩いていた大きな体でので布袋という俗称が付けられたそうで、大きな体に大きな頭陀袋を背負った姿が当時としては相当にユニークなものであったと思われます。

自らを「契此」(かいし/けいし)と自称し、他にも「定応大師」(じょうおうだいし)、「長汀子」(ちょうていし)と呼ばれ、四明山に住んでいた頃には放浪の旅を続けて喜捨を求めて周り、占いが上手で世人の占いでは百発百中で当てたという逸話もあります。

貞明3年(917)に嶽林寺で遷化したという説があることから、その頃の時代の僧であったと思われます。

布袋尊の姿と形

布袋尊

布袋尊は大きな体にだぶだぶの僧衣をまとい、太鼓腹を出したままで大きな袋を背負ってよっくりと歩く姿がとても印象的で一度見た人は決して忘れることの無い風貌でしたから、布袋尊に関する伝承は多いものの、不明な部分が多い僧なのです。

特徴としては

  • 禅僧としての衣服
  • 頭は坊主
  • 太鼓腹
  • 団扇を持つ
  • 大きな布袋を背負う

弥勒菩薩の化身

死の間際に詠んだ詩から、後世布袋尊は弥勒菩薩化身と言われるようになり中国では広く信仰されるようになり、中国では特に福をもたらす神として今でもその信仰が篤く、我が国では水墨画に描かれることから七福神としての仲間入りをしたものと思われます。

「景徳傳燈録」には布袋尊が死の間際に残した言葉として

彌勒真彌勒 分身千百億(弥勒は真の弥勒にして分身千百億)
時時示時分 時人自不識(時時に時人に示すも時人は自ら識らず)

この言葉によって布袋尊が弥勒菩薩の化身と言われるようになったのです。

布袋尊の袋の中身

布袋和尚は太鼓腹の恰幅の良い姿で寺に安住することなく諸国を行脚し、その大きな袋には布施された物や生活道具などが詰まっていたそうです。

不思議な霊力を持っていたことからその霊力で民衆を救い、受けた布施を布袋に入れて持ち歩き、時には袋の中から福をも取り出して授けたのではないかと思います。

布袋尊の御利益

物が足りない、物に困るようなことがあったら布袋尊に頼むのが一番です。

布袋尊の布袋には福徳がぎっしりと詰め込まれていると言われます。

布袋尊の真言

寿老人の真言は弥勒菩薩真言と同じです。

釈迦如来となったゴータマの入滅後56億7千万年後の未来にこの世界に現われ悟りを開き、多くの人々を救済することが約束され、それまでの間は兜率天で修業をしているのが弥勒菩薩です。

  • おん まいたれいや そわか

布袋尊信仰

布袋尊

私達の生活は身の回りにいろんな物が溢れて、便利で快適になることによって豊かになりましたが、物の豊かさは充実していても、心が貧乏で幸せになることが出来ない人が溢れているのです。

心の豊かさ

布袋尊は自分の持ち物を袋に入れて持ち歩いていた訳ですから、常に持つことが出来るだけの量しか持てませんし、物が無くなってしまっても決して不平を言わず、たくさんある時には施すことで、心が豊かでいられるからこそ、いつもニコニコ笑っていられるのです。

物を持つのであれば自分が持てるだけにして、それ以上は決して欲しがらない、そしてたくさんあるような時には困った人に施すこと、これが心の豊かさなのです。

布袋尊は願えば物の豊かさも叶えてくれますが、心の豊かさが大切ですよと教えて下さっているのです。

布袋尊と七福神

七福神のイラスト

七福神の中では布袋尊が背負っている袋は福がたくさん詰まっているそうです。

七福神は宝船に乗って皆に福を授けに来て下さるのですから、財宝や金運が欲しい人は布袋尊に頼めばきっと授けて下さいます。