閉眼供養の済んだ仏壇について
閉眼供養した仏壇は粗大ごみとして出しても構いませんが、神仏と先祖をお祀りした独特な空間です、可能な限りお焚き上げ供養がよろしいかと思います。
閉眼供養とは
閉眼供養とは、魂の入った仏壇、位牌、本尊などから魂を抜くことで、神仏やご先祖様の魂を抜いてしまったものは、抜け殻になってしまいます。
もちろんもう一度魂を入れることにより、以前と同じように礼拝の対象に成り得るのですが、魂を抜いた仏壇に関しては礼拝の対象ではなく、ただの箱になりますので、ゴミとして処分しても良さそうな気がするものです。
礼拝の対象物としての最後
しかしながら毎日礼拝の対象としていた物に関しては、捨てたりゴミとして処分することに抵抗を感じる事でしょうし、出来ましたら最後まで丁寧に取り扱って感謝の気持ちを込めて送り出したいところです。
苦しいことや辛いことが有った時にも毎日手を合わせ続け、朝昼晩と上げ続けた線香の煙で燻された空間はある意味、一種独特の雰囲気が出来上がっているのです。
閉眼供養することによって神仏や先祖の魂はお還り頂いたにしても、長年の間に染み付いた思いや願いが付いたままかもしれません。
仏壇と言う特殊な空間
お正月に歳神様をお迎えするために使った門松やしめ縄を普通に燃やしたり捨てたりせずに、小正月に皆で持ち寄って「どんどや」というやぐらを組んでどんど焼きでお焚き上げするのは、神様に対する礼儀であって、神仏に関して準備した物は最後まで丁寧に扱うのが決まりなのです。
仏壇にしても仏やご先祖様を祀るための祭壇であって、須弥壇なのですから、仏の世界を表現したものであり、厳粛な空間なのです。
長年に亘って礼拝を続けられた仏壇は神仏やご先祖の魂だけでなく、今までに礼拝していた人達の全ての念も籠った独特の空間になっています。
実に有難い形に自然となってくるもので、形というものは年月をかけて自然と出来上がっていくのです。
丁寧な供養法
閉眼供養の済んだ仏壇は基本的に廃棄処分しても神仏やご先祖様に失礼な事はありませんが、可能であれば丁寧な方法をおすすめいたします。
仏壇の最も丁寧な供養法は個別に護摩壇を組んで閉眼供養をしながらお焚き上げ供養をすることで、本来でしたら最も丁寧な方法が望ましいところですが、費用的なことや労力的なこと、或いは自然環境に対する配慮などを考慮しながらも、それに限りなく近い方法で行えれば良いと思います。
高野山真言宗やすか庵では仏壇や神棚のお焚き上げ供養も実施していますし、お引き取り供養もしております。感謝の心というものは、綺麗にお片付けするという形にも表れるものでございます。