最後のお別れで棺に入れる物
亡き人の遺体を安置した棺桶の蓋を閉める瞬間というものは、二度と開けられない蓋を閉める瞬間であり、棺桶の中にはたくさんのお花などを添える事により故人とのお別れを惜しみます。
棺の蓋を閉める前に
お葬式での最後のお別れの時、棺桶の蓋を閉める前には参列者が亡き人の傍に花を添えたり、お気に入りの洋服などを入れて差し上げるのですが、こういう時間はあっという間に過ぎていくもので、葬儀社の方から「他に何か入れて差し上げたい物はありますか」と聞かれても、何も思いつかない内に蓋が閉じられてしまうのです。
大体皆さんの中でも故人が生きている時に、万一亡くなった時のために棺桶に入れて差し上げる物を予め準備している人なんて居ないもので、そんなことを考える事すら無いのです。
葬儀にしてもある日突然お知らせが来るのですから、気が動転してしまって取るものも取り合えず急いで駆けつけることが精一杯のことなのです。
棺に入れる副葬品
故人のために棺に入れて差し上げたい物は何処の火葬場でも決められていて、基本的に燃やせるものです、金属やガラス、爆発物などは禁止されています。
お花を入れる
葬儀の祭壇に使った生花や花輪などの花の部分だけを切り取って故人の身体の周りにお花を入れる儀式は今の時代では当たり前のことになりましたが、これは「最後のはなむけ」ではなくて「花を手向ける」儀式です。
最後のはなむけは「花向け」ではありません、旅人を送りだす時に馬の鼻を行先に向けることであり、旅立つ人に掛ける言葉や渡す餞別のことです。
一昔前の葬儀の料金が高すぎる、同じ物を使い回しばかりで儲けているとの批判があったことから、近年の葬儀では造花が使われることが少なくなり、季節の生花をふんだんに使った祭壇が好まれるようになりました。
使い回しの造花よりも中身のある生花を選ぶ人が増えたということなのです。
祭壇に使っていた生花でしたら持ち帰ったり人に差し上げたりするよりは、亡き人の周りを花で埋め尽くすことの方が、お別れを綺麗に演出する事に役立ちます。
極楽浄土の世界が色とりどりの花に囲まれた世界であると言うことからも死者の演出には欠かせないものとなっています。
服を入れる
お気に入りの服や思い出深い服、病気が良くなったら着ましょうと約束した服などの服は亡き人に着せてあげたり、身体の傍に添えたりして棺桶に入れることが多いです。
死に装束の上から掛けて差し上げることもあります。
服はその人を印象付ける物でもあり、常にスーツを着ていた人ならお気に入りのスーツを、着物を着ていた人ならお気に入りの着物を着せるか傍に添えます。
生前中に霊場巡りをしていた人でしたらご朱印の付いた経帷子(きょうかたびら)を着せて差し上げることがあり、この場合には、修行した証としての衣であり、今後の修行の旅に出るための法衣でもあるのです。
写真を入れる
アルバムから探し出した思い出の写真、お気に入りの写真、元気だった時の写真、大切な家族写真などの写真を入れることも多く、大切な思い出をあの世の世界に持って行って下さい、という気持ちの表れなのです。
あの世には物を持って行くことは出来ませんが、楽しい思い出なら持って行けそうです。
入れ忘れた物はどうする
亡き人の火葬が済んで遺骨を家に持ち帰り、しばらく日時が経って遺品整理をしている時に、「これを入れてあげるのを忘れていた」という物が出てきても、時すでに遅し、時間を戻すことが出来ません。
しかしお焚き上げ供養ならば今からでも亡き人に届けて差し上げることが可能であり、亡き人に喜んで頂くと共に、私達の心の負担まで取り除いてくれるのです。
やすらか庵のお焚き上げは全国対応ですから、全国どこからでも郵送や宅配便を使って利用することが出来ます。
亡き人が目の前から居なくなってから始めて気が付くことが多く、亡き人のことを思えば思うほど、いろんな物を届けて差し上げたい気持ちになるのです。
亡き人に何か届けて差し上げたいと思ったら、お焚き上げ供養はとても有効な手段です。