おみくじとは
「おみくじ」とは神社や寺院で方角や運勢などを占うための「くじ」のことです。
くじの歴史
古代の人達は国の祭りごとで大切な決断が必要な時には、くじを引いてその結果を神の意向とし、神のお告げに順うことで国を治めてきました。
神々の意思は祭りごとをして引いたくじで決まり、その意志に従うことで運命が決まる訳ですから、ある意味私達の祖先は神々と運命を共にしていたのです。
くじを引く人も決められていて、神々と通じる能力のある人が選ばれるのです。
くじの基本は「吉」か「凶」
進学先や就職先の選定、家を建てる時の日取りや縁談の良し悪しを決めることは、その後の人生を左右する大切なことですから、よく考えて決めなければいけませんが、当事者として最後に決定するまでには相当の迷いがあるものです。
人によっては中々決めることが出来ないこともあり、そういう時に天にお任せするくじを引くことによって良し悪しを決めてもらえば、迷うことなく目標に向かって進むことが出来る訳で、迷いが無いと言うことによって物事が成就していくのです。
神社や寺院でのおみくじに「吉」と「凶」があり、吉の状態にしても大吉、中吉、小吉、末吉などがあるように、吉と凶には段階があるので、自分が気を付けるべきことを訓示するのがおみくじであり、更には凶が出たと言っても諦めなさいということではなくて、時期を変える、向かうべき方角を変える、作戦を変えるなどのことをすれば吉になるということです。
おみくじを引いて凶が出たからとがっかりしてしまうのではなく、気を引き締めて取り組みなさいということであり、吉が出たからと舞い上がり調子に乗って注意をおろそかにすることの方が失敗につながるのです。
天に任せる
くじというものは物事の決定を人の判断に任せるのではなくて、天に任せるのですから、時には意外な訓示が出ることがあるのですが、自分では決して選ばないような道を示された時こそ真のチャンスなのかもしれません。
人の行動というものは経験によって支配されていますので、物事の決定にしてもこれまでの経験によって決められる訳ですから、経験値としての成功の形があって、年齢を重ねれば重ねる程思い切った冒険をしなくなるものです。
その点若い人は常識や経験に囚われない発想をするので、それが思わぬ大成功につながることもあるのですが、やはり経験が足りないという事はそれなりの失敗もしてしまうのです。
最終決定を天に任せてしまい、あとは公明正大なる天を信じてひたすら努力するだけで良いのですから、天を味方にするかどうかで人生が変わってくるのですから、天を味方に付けた人は天も応援してくれるようになるのです。
おみくじを結ぶ
引いた後のおみくじは神仏との御縁を結ぶという意味で境内の木の枝に結び付けられることが多く、参拝者の多い寺院や神社の木には多くのおみくじが結ばれていることがあります。
また願い事が叶うと言う意味で結ぶのでもあり、神道では結ぶことは天地の生成、男女の出会い、万物を生み出す力でもあることから結ぶことが尊ばれ、水引の結び方にしても目的によって違うのです。
あまりに多くのおみくじが結ばれますと木の枝が垂れ下がったり折れたりして木の生育に支障が出るので、専用のおみくじ結びの紐が付いた棚が設置されていればそこに結び付けましょう。
大吉のおみくじなどは持って帰る方も多く、財布の中に御守りとして入れることもあります。
おみくじのお焚き上げ
おみくじは御札や御守りのように御神体が入ったものではありませんし、運試しとして気軽に買うものなので、持ち帰ったものは普通に可燃ゴミとして捨てて構いませんが、神様のお言葉が書いてあると思えば気軽に捨てることが出来ない人も居ます。
おみくじの処分方法として最もふさわしいのがお焚き上げ供養です。
お焚き上げ供養は天にお返しするという儀式ですから、粗末になることなく、丁寧な方法なのです。