俗名とは
俗名とは故人がこの世に生まれた時に親から付けてもらった名前の事で、俗世間での名前と言う意味で俗名と言います。
俗名の由来
私達はこの世に生まれてから一人の人間としての人生を歩むのに、固有の名前を付けて他の人と区別します。
私達は社会的にコミュニケーションをとる生き物であるので、それぞれの個性を生かしながら集団の中で生きていくには名前が必要なのです。
夫婦に子供が生まれた時に付ける名前は、その子が
- 順調に成長するように
- 健康であるように
- 病気をしないように
- 立派な大人になるように
などの思いを込めて名前を付けるのです。
親からもらった名前というものがその人の生き方や人生をも左右するような大切な役割を果たしているのですから、名前を付ける時には良く考えて付けましょう。
昔から名付けに関しては五行画数などを考慮しながら考えて、寺院や神社で拝んでもらっていたものです。
戒名について
戒名はそもそも仏門に入門して釈迦の弟子として新しい人生を送るという意味で付けられる名前のことで、戒律を守りますよという約束の元に師僧から頂く名前のことで、本来は生きている内に仏道に励むことが目的です。
しかし我が国では亡くなってから僧侶に付けてもらうものという捉え方をさけているようですが、亡くなって仏の世界に生まれ変わって仏の弟子になるという解釈なのです。
俗名が親からもらった名前であるのに対して戒名は師僧からもらった名前という違いがあります。
俗名での葬儀
仏式の葬儀の時にはほとんどの場合戒名を付けますが、故人の希望であったり、金銭的な問題などの理由で戒名を付けずに俗名(生前中の名前の事)で葬儀を営むこともあります。
そういった場合には仏式の葬儀ではなくて僧侶を呼ばない形式の葬儀になります。
近年では身内の人だけで行う家族葬が主流になっていますので、祭壇にしても生花を中心とした祭壇で家族の者だけでお別れの会という形式が増えているようです。
戒名が無くても
戒名が付いたから極楽に行けるとか、戒名が無ければ地獄に堕ちるとかいうことは絶対にありません。戒名の有無やランクの上下により亡き人の行先が変わるようなことは決してありません。
そういう意味では戒名は絶対に必要なものではありませんが、お墓がある方は墓誌に刻まれますので、ご先祖様と並ぶようでしたら、どうしても比較されてしまうことになりますし、葬儀に於いては人並みにという意識が働きますので、そういったことに対して何も執着しないという方であればよろしいかと思います。
必要でしたら葬儀が済んだ後で戒名を付けて位牌を作るようなことも可能で御座います。