本位牌の形に特別な意味がありますか
位牌に実に様々な種類と形がありますが、宗派や地域によって何かの決まりがあるのでしょうか。
位牌の形の由来
位牌の形は主に作られた産地による特色が強く出ているということであり、位牌を制作している産地に昔から伝えられている形を踏襲して作られていますので、特別な意味は意識しなくても良いそうです。
昔は位牌を作る産地が決まっていて、主に会津若松、京都、名古屋、和歌山で作られていて、その産地によって
- 会津若松…会津位牌
- 京都…京位牌
- 名古屋…名古屋位牌
- 和歌山…高野位牌
とと呼ばれて、桧や槇などの銘木の産地であり、職人が集まる場所を中心に栄えたのです。
それぞれの産地では独特の形があって、主に産地の違いが形の違いになっていました。
人柄を表す
一説には位牌は故人の人柄によってその形を選ぶそうで、例えば、
のような選び方をするそうで、なるほどとは思いますが、無理やりこじつけられたような感じがするのは私だけでしょうか。まさか亡き人の性格で位牌を選ぶ人はいないと思います。
宗教や宗派で位牌の形が違うということもありません(一部の宗教を除く)。
良く普及している位牌
個人的には最もよく普及している形は「蓮華付春日」ではないかと思います。
何処でもよく見かける形であり、誰が何処で使っても無難に使えます。
位牌の文字
位牌の文字には彫刻刀で彫る「彫り」と筆で書く「書き」があります。
「彫り」は実際には機械で彫っているのですが、彫ったところには金色を入れています。
位牌の「書き」でこれは手書きです。
梵字など
戒名の上の部分に梵字などが入ることがあります。
真言宗、天台宗では「ア」浄土宗では「キリク」日蓮宗では「妙法」などです。
本位牌の期間
本位牌は本格的な位牌で末永くお祀りするものですが、いつまでお祀りすれば良いのでしょうか。
法事が終わるまで
一昔前までは法事と言えば50回忌まで行うものでしたが、都市に住む人が増加して冠婚葬祭の簡素化が進んだことから、近年では33回忌の法事を最後の法事にすることが多くなりました。
位牌は法事の時に仏壇から取り出して供養しますので、33回忌が済めばもうその方の法事をすることがなくなります。
その時点で魂を先祖代々の位牌に移し替えてから「閉眼供養」して「お焚き上げ供養」する方法が良いと思います。
先祖代々の位牌ではなくて、繰り出し位牌や過去帳位牌に移し替えるという方法もあります。