金剛智三蔵とは
金剛智三蔵は龍智菩薩より真言の法を授かった僧で、中インドから唐に渡って真言の法を伝えた伝持の第三祖、付法の第五祖になります。
金剛智三蔵の経歴
中インドに王子として生まれた金剛智は、十歳で出家し仏教を学びました。
三十一歳の時、南インドで龍智菩薩より七年間密教を学んで伝法灌頂を受け、さらに南インドやスリランカの各地をめぐり修行を積み重ねた後、法を伝えるべく決心して海路で唐に至り、玄宗皇帝に国師と仰がれ真言密教の儀式を伝えました。
則天武后の建てた名刹である薦福寺に住んで「金剛頂経」を伝えて、開元29年(741)8月15日に75歳で没したと言われています。
金剛智三蔵の姿
金剛智三蔵は八祖として描かれる時には右手に数珠を持っていて、もう一方の手は衣の裾を握っています。
数珠を持った姿は優れた信仰心の証であり、衣の裾を握っているのは、強い意思を表します。
三蔵とは
三蔵とは仏教に於ける経蔵、律蔵、論蔵の経典のことであり、これらの経典を知り尽くした者のことを三蔵または三蔵法師と呼びます。
大日如来から直弟子の金剛薩埵に示された真言の法は神々の世界から人間の世界に降りてきて、真言宗の伝持の八祖の中でも龍猛菩薩が最初に法を受け、次に法を受けた龍智菩薩から金剛智三蔵へと伝わったのです。