龍智菩薩とは

龍智のイラスト

龍智菩薩は龍猛菩薩より真言の法を授かった僧で、南インドを中心に活躍した伝持の第二祖、付法の第四祖になり、優れた神通力を持つことで知られます。

龍智菩薩の経歴

南インド出身の龍智菩薩は仏教の修行をして十地の境地に到達し、不思議な神通力を獲得して700歳まで生きたと言われています。

金剛智三蔵には七年間に亘って密教の奥義を伝えたとされます。

長寿を保った結果として、唐からインドに来た不空三蔵にも教えを伝授し、「西遊記」で有名な唐の玄奘三蔵に中観論などを伝授したとも伝えられています。

龍智菩薩の姿

龍智菩薩は八祖として描かれる時には手に梵経を持っていて、もう一方の手は衣の裾を握っています。

梵経を持った姿は優れた智慧の証であり、衣の裾を握っているのは、強い意思を表します。

菩薩の位

大日如来から直弟子の金剛薩埵に示された真言の法は神々の世界から人間の世界に降りてきて、真言宗の伝持の八祖の中でも龍猛菩薩が最初に法を受け、次に法を受けた龍智菩薩が菩薩の位であるのは、長寿と神通力の伝説に依るものです。

真言の法が私達に伝わってくるまでに、神々の世界からの長い時間と、法の灯を伝えるべく命がけの情熱があったのです。