不悪口について
不悪口とは乱暴な言葉を使わない、悪い言葉を言わないということで、身(体の行い)、口(口で発する言葉)、意(心で思う事)の規律である仏教の十善戒の中で、口で発する言葉に関する規律の一つです。
「悪口」とは
「悪口」とは乱暴な言葉や他人の悪い所を批判するような言葉のことで、相手に対して不快な思いをさせたり、怒りの原因になったりすることで、場合によっては相手を怒らせるために敢えて言うようなこともあります。
「不悪口」という戒律は乱暴な言葉や悪い言葉を言わない、という戒律になります。
悪口が良くない理由
悪口は相手を傷つけたり怒りの感情を起こさせたりしますので、争いの原因になります。
会社の中では休憩時間に仲の良い者同士が集まって、上司の悪口を言うことで、自分だけが思っていることではないということで盛り上がり、ストレス解消になっているのですが、本人が聞いていなくても罪としては同じことです。
仏教では人の悪口を言っても自分の心が乱れるだけで何の徳にもならないから止めなさいと説いています。
そう言われても
会社の休憩時間や仕事の後の飲み会で、上司や同僚、部下の悪口を言うことは、話としてとても盛り上がりますし、自分一人だけが辛い思いをしているのではなかったと安心するものです。
そういう意味では悪口もストレス解消のために役に立っているのですし、人を傷つけるようなことさえなければ良いのではないかと思います。
しかしどんな小さい悪事であれ、それが許されると、次第にエスカレートしていきますので、やはり小さいうちにやめておくべきことなのです。
「言葉の暴力」と言われるように、言葉でも暴力と同じことになり、相手の心を深く傷つけてしまうのですから、暴力になってしまうような言葉は使わない方が良いのです。
正しい言葉とは
仏教が説く正しい言葉とは、相手を安心させる真実の言葉なのです。
口から発する言葉は相手を傷つけることも出来ますし、相手を安心させることも出来るのです。
暴力的な言葉を使えば相手も気を悪くして同じような暴力的な言葉を返すようになり、次第にそれは怒りの感情になって争いになってしまいます。
しかし相手を安心させるような優しい言葉を使えば相手も心を開いてくれて優しい言葉を返し、お互いに信頼出来る関係が築けるのです。
仏の浄土と言われる世界では汚い言葉、暴力的な言葉、悪い言葉は決して使いませんので皆が穏やかな気持ちで居られるのです。