読経の呼吸

読経呼吸法

仏教での読経は長くてゆっくりとした呼吸で唱えられますが、この呼吸法こそ僧侶が長生きする秘訣と言われています。

読経と呼吸の組み合わせで健康で長生きの実現を!

人間の息をする数は決まっている

呼吸法のイラスト

人間が生きている間にする「吐くと吸うの1サイクルの息の数」は生まれた時から決まっているそうです。

但し1回の息の時間は決められていないので、長生きしようと思ったら、1回の息の長さを長くすればするほど長生き出来るのです。

たとえば一生の息の数が10億回と決まっている人が1回の息を1秒で済ませてしまったら、生きている時間が10億秒になり、11470日つまり31.7年しか生きていないことになります。

しかし1回の息を全て10秒ですれば何と317年生きることになりますが、実際は走ったり緊張したりなどで1秒以下の息の時が結構な数あるでしょうから、知らないうちに寿命はどんどん減っているのです。

いずれにせよ長生きしようと思ったら1回の息をなるべく長くすることが秘訣なのです。

動物が短命な訳

動物が短命な訳

動物が私達人間に比べて短命なのは、元々与えられた息の数が私達よりも少ないという理由が大きいのですが、人間よりも動物の方が息をするのが早いという理由にもよります。

動物の寿命は小型~中型犬で20年程度、大型犬で10年程度、猫で20年程度ですから、成長するスピードにしても私達の4倍程度の時間の速さで年を取っています。

ペットの呼吸の仕方を見ていたらよく分かりますが、私達の呼吸よりも遥かに早いのです。

野生の犬猫に比べて室内の犬猫の方が長生き出来るのは、餌と健康管理が室内飼いの方が優れているからですが、屋内飼いの方が危険が無く、ゆったり、そしてのんびりと生活しているので屋外の動物に比べて1回の息が長いことにもよります。

呼吸は自分でコントロールできる

呼吸を自分でコントロール

呼吸は生命を維持するのに一時も欠かせない機能ですから、特に意識しなくても自律神経の働きによってコントロールされているのです。

しかし呼吸のもう一つの大きな特徴は、自分で意識してコントロール出来ることなのです。

長時間止め続けるなどのことは無理だとしても、呼吸の時間の長さやタイミングは意識して自分で調整出来ます。

但し体が起きている時に限られることで、寝ている時には自分でコントロール出来ませんが、呼吸の時間を長くすれば長生きできる可能性が高くなるのです。

呼吸の長さが自分で調整できるのなら、何時も意識して長い呼吸をすれば良いのでしょうけれど、こういう事はいくら気を付けていてもすぐに忘れてしまうことですから、意識しなくても長い息が出来るようにしてしまえばよいのです。

僧侶は長生き

僧侶は長生き

福島県立医科大学の森一教授が報告された「1980年~82年における10種の職業集団の平均死亡年齢と死因に関する調査」によりますと平均寿命が長い職業の第一位は僧侶(宗教家)だったそうです。

因みに第二位は実業家で、第三位は政治家だったそうですが、どの職業も定年が無く、しっかりした考えを持ち、食事や健康には気を使っているような印象を受けます。

さて長寿第一位の僧侶は、70歳80歳は鼻垂れ小僧、90歳で一人前と言われる世界ですが、僧侶の長生きの秘訣の一つは読経することであり、毎日読経を続けることなのです。

読経呼吸法

読経呼吸法のイラスト

読経する時に呼吸を意識するだけで素晴らしい健康法になる方法を御紹介致します。

準備

説明のイラスト

静かで散らかっていない環が理想で、毎日勤行のお勤めをしているのならその場所を使用し、座り方は正座でも胡坐でも椅子に座っても構いません。

出来る人でしたら結跏趺坐で挑戦してみて下さい。

経典は慣れている経典や真言、マントラでも構いません。

真言、マントラの時には何回もループして唱えるようにします。

朝、昼、晩、いずれの時間でも構いませんし、時間的には5~10分程度、可能な限り毎日の習慣になるようにして下さい。

読経で長生き

読経で長生きのイラスト

読経する時には腹式呼吸で大きく息を吸って腹に貯め、その息を少しずつ吐きながら大きな声で詠みますが、この方法には

  • 腹式呼吸
  • 長く息を吐くこと
  • そして大きな声

という長生きの秘訣が含まれているのです。

毎日読経する習慣を付けましょう。

覚えておいて損はしないお経、絶対に役に立つお経は「般若心経」です。

般若心経は写経の修行もありますので、仏教の修行の基本になりますので是非覚えてみて下さい。

般若心経の意味と訳、唱え方、無料ダウンロード

写経「般若心経」A4用紙版の無料ダウンロード

腹式呼吸

腹式呼吸

腹式呼吸はお腹で息をする呼吸法で、お腹を大きく膨らませて呼吸します。

最初のうちは普通の呼吸のペースで構いませんから、お腹を使って呼吸しながら読経します。

呼吸自体は肺で行われているのですが、お腹を使っての呼吸は実際にお腹が膨らんだりへこんだりしますので、腹式呼吸では通常の呼吸よりも多くの酸素を取り込むことが出来るので脳が活性化します。

そして腹式呼吸でお腹を動かすことにより、胃や腸の働きが活発になります。

丹田はへその下5cmぐらいの所にありますので、丹田に意識を集中して下さい。

昔から言われているのは「臍下三寸」でへその下9cmです。

解剖学的には丹田と言う器官はありません。

素早く大きく息を吸ってから丹田の所に息を溜めて丹田に力を入れてからゆっくりと息を出しながら息の続く限り読経します。

息が途切れてしまったら再び素早く大きく息を吸って丹田に溜めて、丹田に力を入れてからゆっくりと息を出しながら息の続く限り読経することを繰り返すのです。

丹田に力を入れることにより、生命力が強くなり、体中に新鮮な空気を大量に届けると共に、大宇宙からの気を取り込んで体の中を回せば、不思議な力がみなぎってきます。

長く息を吐くこと

ゆっくりと息を吐く

瞑想の時には息を大きくゆっくり吸って止め、溜まった息を大きくゆっくりと吐き出すようにしますが、読経の時の腹式呼吸は大きくではありますがなるべく早く吸ってから丹田に力を入れてあとは、ゆっくりと読経しながら息が続く限り吐き出します。

限界まで息を我慢して吐き出しますと次の息が満足に吸えなくなりますので、なるべく途切れないように、そして苦しくないように気を付けます。

大きな声

大きな声のイラスト

経典を詠む「読経」には経典に書いてある仏法を広めるという功徳と、仏法を体に取り込む、理解するという功徳があります。

特に般若心経は経の部分とマントラの部分がありますので、神仏との交流や宇宙エネルギーを取り込むなどにはとても効果的です。

読経の声はお腹の丹田に力を入れた状態で、遠くに届くような大きな声であることが理想です。

日常の勤行などで大きな声を出せるような環境でない時には普通の声か小さめの声でも構いませんが、少なくとも丹田に力を入れるようにします。

しかし大きな声を出すことの出来る環境ならば「お腹から声が出る」ようなイメージで唱えてみて下さい。

なるべく遠くに届く声を出すことが神仏と交流するための秘訣なのです。

獅子吼(ししく)とは僧侶間で雄弁を振るうことを言いますが、もう一つは師子が吠える声がはるか遠くにまで響き渡ることから、仏の声と仏法がはるか遠くまで届くようにとの思いが込められているのです。

長息で「長生き」と「健康」を

長生きと健康

長生きしようと思ったら読経は長生きの秘訣で、なるべく長い息で唱えることがコツで、丹田を意識しながら腹式呼吸を行えば新鮮な空気を取り込むのはもちろんのこと、宇宙のエネルギーを体に取り込むことが出来ますし、胃や腸や内臓も刺激され、体中に気が回ることによって活気がみなぎってくることにより、健康な体になっていくのです。

おまけに腹式呼吸をしていれば体の機能に無駄が無くなることによって小食で済むようになり、争いごとを好まないようになり、平和を望む人になるのです。

読経は先祖供養のためでも自分の修行のためでもどちらでも構いません。

あなたも一度試してみませんか。