浄化とは
浄化とは体や心の汚れを洗ったり払うなどして綺麗にすることで、浄化の目的で使用したパワーストーンなどの浄化作用を元に戻すために太陽にあてるなどのことも含みます。
五大による浄化
五大とは宇宙を構成している五つの地・水・火・風・空の要素のことです。
それぞれの要素に浄化作用があります。
地の浄化
大地は動植物を育てる役割と死した動植物を分解して土に還す役割があり、土は微生物を利用して様々な物を分解して土に戻す力があることから、大地の浄化作用として利用されてきました。
フグの中毒に当たった人の首から下を土に埋めるという民間療法は土の浄化作用によるもので、温泉の地熱を利用して首から下を砂に埋める砂療法は砂が体の中の毒素を吸い取ってくれる療法です。
砂の中に首から下を埋めていることで体の中の毒素が排出されて、癌などの病気にも多大なる効果があり、副作用が無くて無害の方法、お金の掛からない方法です。
大自然の浄化作用を見直すことは、今の時代に特に大切な事かもしれません。
犬や猫も土を舐めたり食べたりすることがありますが、本能的に欲しているからなのです。
密教では土砂加持と言って、真言を唱えて修法した土砂を家の周りなどに撒けば病気や災難を避けることが出来、死者のために使えば死者の体を浄化することが出来て極楽浄土に至るとされます。
水の浄化
私達は手が汚れたら水で洗い、一日の終わりにお風呂に入ることで一日の疲れが癒されます。
汚れた衣服を水に洗剤を入れて洗濯して乾かせば、気持ちよく着ることが出来るのです。
水は心の穢れも落とすので、祈りながら滝に打たれる滝行は苦しい事や辛い事を一切忘れて無の境地になることが出来ます。
水は身口意を浄める効果があり、密教では洒水と言って朝一番に汲んだ井戸の水を洒水器という器に入れて人や物、場を浄めます。
火の浄化
火は形ある物質を灰に変えて形を無くしてしまうことから、古い物や汚れた物、不要な物などを消し去って浄化する役割があります。
密教では私達の欲望の元である煩悩を焼き尽くすための護摩で火を焚きますが、先祖供養や心願成就のための護摩もあります。
お焚き上げ供養は御札や御守りを焚き上げて天上にお還しすることが主な目的ですが、亡き人に気持ちを届けたり、物に憑いた因縁を浄化するなどの目的もあります。
どんど焼きはお正月に歳神様を迎えるために準備した注連縄や門松などを焚き上げて天上にお還しする行事ですが、どんど焼きで出た灰は家に持ち帰って家の周囲に撒けば、家のお浄めになります。
風の浄化
家の中の空気がよどんできた時に窓を開けて新鮮な空気を入れたら気分が良くなります。
埃が被ったものにエアーを吹き付けると埃が飛んで行って綺麗になります。
緊張した時に大きく息を吸って深呼吸すれば脳が活性化して新たな気持ちで物事に取り組むことが出来ます。
密教では瞑想の時に呼吸をコントロールすることで心を静める効果があります。
空の浄化
空間というものは気やエネルギーの影響を受けることで楽しい空間になったり、悲しい空間や忌々しい空間になったりしますので、眼に見えない部分での浄化法として風水やアロマ、パワーストーンなどが利用されています。
形のあるものに関しては本来は拘ってはいけないというのが仏教の基本ですから形あるもので空間を浄化するということ自体が執着なのでしょうが、私達は形あるものを利用して形無きものを理解するのが分かりやすい方法なのです。
密教では口で真言を唱え手で印を結び心で観想することで場を浄化し、自らの身口意も浄化します。