家の中の虫はどうする?
すき間だらけの古い家では家の中にたくさんの虫が居て、新しい気密性の高い家やマンションでも虫が迷い込むもので、殺虫剤で駆除するのが最も手軽な方法ですが、皆さんどうしますか?
室内で見かける虫
主に家の中で見かける虫は
- クモ
- ゴキブリ
- ハエ
- 蚊
- カメムシ
- ムカデ
- ゲジゲジ
他にもたくさんの虫が迷い込んでくるのですが、私達の健康や衛生に危害を加える虫も居れば見ただけで気持ち悪いと感じる虫も居て、虫は何か悪い事をしようとして生きている訳ではないのですが、大体に於いて皆さん、部屋の中に虫が居るだけでそれが何の虫であれ殺虫剤をかけることに慣れてしまっています。
無用の殺生を減らす
一昔前までは家の中に出てきた虫は何であれハエ叩きか新聞紙を丸めた棒で叩いていたもので、叩いた後にはバラバラになった虫がまだ動いていて、片付ける時に少々の罪悪感を伴っていたものでした。
最近では気軽に使える即効性の殺虫スプレーがありますので、追いかけまわしたり叩いたりすることなくスマートに処理できますのであまり罪悪感を感じることなく使いますが、殺虫剤を使うことに慣れてしまえば虫を見ただけで無条件に使うようになってしまいます。
虫はある意味集団で湧いてくる命ですから、一つぐらいの命が無くなったとしても集団には大きな影響がありませんし、自然の中では小さい虫が大きい虫に食べられてしまう訳ですから、弱肉強食の原理で言うと強い者が弱いものの命を奪うという事が自然界の中ではごく普通に行われているのですが、殺生というものは相手の生きる権利を奪うということですから、不必要な殺生であるのなら一つでも減らした方が良いのです。
家の中の虫はキャッチ&リリース
無用の殺生を止めるためには、虫であれば何でも殺虫剤をかけるのではなく、飛ぶものであれば窓を開けて追い出す、サッシを開けて外に追い出すだけでも構いませんから実践してみて下さい。
紙コップと厚紙一枚
道具としてのおすすめは紙コップ(プラカップ)1個と厚紙1枚です。
やすらか庵には室内にコオロギが居ますので「コオロギ用」と書いてあります。
やり方は簡単です。
紙コップか透明のプラカップを虫の上から被せます。
紙コップを被せたら上から押さえたままでほんの少しだけ浮かせながら厚紙を隙間に差し込みます。
厚紙で虫を挟まないように注意しながら少しずつ厚紙を差し込み続けます。
プラカップの方が虫の状態がよく見えて良いかもしれません。
これでコオロギはカップの中に居て、厚紙の上に乗っているはずです。
後はコップを押さえながら厚紙ごと持ち上げて「自由になりなさい」と声を掛けて外に逃がしてあげましょう。
コオロギはお礼を言いながら飛んで消えて行ってしまいますが、生き物を逃がすという事は実に気持ちの良いもので、優しい心になった自分を感じることでしょう。
この優しい心のままで居れば争いを嫌うようになり、平和を好むようになります。
険悪な心の人が離れていき、暖かい心の人が近付いてきます。
自分の優しい心が汚れることを嫌い、綺麗なままで居たいと思うようになるのです。
ほんのちょっとした小さい善行であっても積み重ねていけば大きな仏の心につながるのです。
仏の心になってみよう
こういったことは仏教で言う所の放生会(ほうしょうえ)です。
生き物の命を尊び、慈悲の心を持つことで自らの功徳となり、仏の心に近付くことが出来ます。
仏教の修行はほんの小さなところから始まるのです。
私達の命が一人の命だけで成り立っているのではなく、全ての命がつながっているという事実を知った時に、他の命を尊ぶことが自分の命を大切にするということが実感出来るのです。