午年とは

古代中国では十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)と十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)を組み合わせた陰陽五行(いんようごぎょう)の思想によって暦が作られましたが、動物に当てはめられた十二支の中では午は7番目に該当する年であり、動物の馬で表されます。
丙午(ひのえうま)とは

2025年は丙午(ひのえうま)の年になり、十干と十二支の60の組み合わせによると十干の43番目になります。
乙(きのと)について

「丙」(ひのえ)は十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)の3番目に位置し、生命の循環では植物が成長しその姿が明らかになった様を表します。
更に「丙」は五行の「木・火・土・金・水」と「弟・兄」(陰・陽)の組み合わせによれば「火の兄」になり、火性の陽ということで太陽のように盛んに燃え広がる火を表し、「明るい」「暖かい」「活発」「強い生命力」の象徴となります。
午について

「午」は十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)では7番目に位置し、俊足で力強い馬とされ、十二支は植物の成長を表すので、草木の成長が極まって衰退の兆しがみられる状態を表します。
午も陰陽五行では火性の陽となります。
午は南の方角であり、正午は太陽が高く昇った時刻であることから、燃え盛る火、活力に満ちた状態なのです。
古代より馬は神の乗り物或いは神の使いとして大切にされ、神聖な動物とされてきました。
常陸国風土記には崇神天皇の代から神事の際には馬を献上する風習が始まったとされ、奈良時代の「続日本紀」には、神の乗り物として神馬(しんめ)を奉納したとの記述があります。
馬は貴重な存在であることから、神社に馬を奉納出来るような人は限られた有力者であることから、庶民が奉納するには困難なことから、紙や木、粘土などで作った馬の像を奉納するようになり、奈良時代になって馬の絵を描いた板が奉納されるようになりました。

奈良時代に始まった馬の絵を描いた板が今の時代に神社や寺院に奉納されている絵馬の始まりだと思われます。
2026年は丙午(ひのえうま)の年

2026年は午年(うまどし)ですが丙午(ひのえうま)の年であり、丙午年生まれの女性は気性が激しく夫の寿命を縮めると昔から言われ、人々が意図的に出産を控えるためにこの年だけは特別に出産数が下がる傾向があります。
丙午伝説は江戸時代初期に「丙午年には火事が多い」という言い伝えがあって、放火の罪で火あぶりにされた八百屋お七の生まれ年が丙午年であったことと重なっていつの間にか「丙午年生まれの女性は気性が激しく夫の寿命を縮める」ということになったそうで完全に迷信なのですが、迷信と言えども出産という人生の一大事を迎え、新たな命が生まれる時には、出来るだけ災難を避けたいという人々の気持ちが働くのは何時の時代も同じことかもしれません。
しかしながら科学万能の世の中ではあまり信じる人は居ないでしょうけれど、それでもただでさえ少子化が加速的に進んでいる我が国の現状からしても人口の減少は進むばかりです。
2026年生まれの人

2026年(令和8年)は九星では一白水星、七福神では恵比寿天になります。

手には釣竿と鯛を持ち、大きな口を開けて笑う姿の恵比寿天は古来より豊漁の神として崇められてきました。
恵比寿天は七福神の中でも唯一日本の神であり、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)の間に生まれた子供として、或いは事代主神(ことしろぬし)として、或いは少彦名命(すくなひこなのみこと)が起源であるとの説があります。
恵比寿様は手に釣り竿を持ち、鯛を抱えている姿で描かれることが多く、海や川の大漁、航海安全などの利益があり、現代では十日えびすやえびす講でもおなじみの商売繫盛の神として信仰されています。
一白水星の人は水の性質を持ち、水は一滴の雨水が集まってやがて大河になるように努力と忍耐で大きくなることや、流動性があってどのような器にも良くなじみ、液体、固体、気体と変化する性質を持っていることが特徴です。
また一白の定位は北です。北は寒い所であり、陽の光の届かない暗い所で、陰の極です。
☆一白水星の人の特徴は
- 忍耐強い
- 心変わりしやすい
- 社交的
- 努力家
- 行動的
2026年はどんな年

2025年巳年は困難を乗り越える年でしたが、今年もまだ政治・経済の混乱は続き、紛争や戦争の脅威が私達の身近に迫ってきます。
人口の減少に伴う外国人の増加による多国籍化は労働力の確保に有効な手段ですが、犯罪が増える、ルールやマナーが守られないなどの負の一面を背負うことにもなります。
本来であれば火の性は情熱的であり、エネルギーと活気に満ちて疾走する馬の如く飛躍を望める年ですので、会社や企業としては年々落ちていく業績を回復するチャンスでありますし、業績の良い人は更なる飛躍に挑戦してみる価値のある年なのです。
2026年は丙午の迷信もあって出生率が確実に低下しますし、以後は人口の減少に益々歯止めが効かなくなりますので、これからの時代は我が国が先進国であるという自覚を捨てて、後進国という自覚を持ち、自らの生活に必要な医療や福祉などが満足に受けられないこと、地方ではスーパーの撤退、交通機関の廃止や削減などで買い物など生活難民が増えてくることを意識して生活スタイルを変えていきましょう。
今の時代はまさに末法と言える時代なのですが、このような不安定な時代の中にあっても小さいながらも生きていく楽しみを見出して、どんなことでも喜べる、楽しめる気持ちを持ち続けることが大切です。
たとえ貧乏であっても心の中だけは豊かであり続けたいものです。
毘沙門天王功徳経に「衆苦の源は貧苦にしかず」と説かれるのは貧乏は苦しみであるけれど、心の貧乏になってはいけないという毘沙門天の教えなのです。
私達は溢れる物に囲まれてそれが豊かな生活だと思い込んでいますが、死後の世界に持っていける物は一つもありませんし、自分にとって大切な物であっても遠慮なしに処分されてしまうのですから、死後の世界には生前に積んだ功徳しか持って行くことが出来ないことを自覚して、生きている内に徳を積むように致しましょう。

そうは言ってもそれぞれの家庭の中で平和な一年でありたい、健康で過ごしたいという基本的な希望は何時の時代も変わることなく、こういった時代の中でも時代の混乱に巻き込まれるのではなくて、自分達の家族の平和が世界の平和に繋がっているのだという気持ちで新しい一年を迎えたいものです。






