戒名のランクとは
戒名は仏門に入った者に与えられる名前ですが、寺院に対する貢献の度合いや信仰心の篤さなどに応じた内容になっていて、一般的には戒名のランクとして認識されています。
戒名のランク、需要と供給
戒名のランクに関しては、檀那寺の檀家と言う立場からすると、家柄を表す尺度として使われることがありますので、地方に行けば今でも自分の家は院居士の家系だから…と自慢するお年寄りの方がおられますし、何よりも墓石や位牌にに半永久的に刻まれてしまいますので、少々無理してでもなるべく良いランクの戒名を欲しがるという事情があります。
また、縁談がある時には「聞き合わせ」と言いまして、相手方の家の近所を廻って、相手方の家がどんな家柄なのかを聞いていたものですが、お墓にも行って家柄を確認したというような風習も影響していると思います。
実は戒名には需要と供給の関係があって成り立っているのです。
戒名のランクを落としたら
そういう意味では先祖代々子々孫々、戒名のランクを落とさずに頑張り続けたということが大変な誇りであり、戒名のランクを落とすということは、家柄に泥を塗るような行為だと思われかねません。
しかし、元々は人から見た印象を良くするだけのことであり、何と思われても気にしないというのが、仏法に照らし合わせた考え方だと思えば、そもそもこだわる必要は無いのです。
戒名のランクを落としたからと言って死後の世界のランクが落ちてしまうようなことはありませんし、今まで先祖が行っていた世界と違う世界に行ってしまうようなこともありません。
やむを得ない理由
寺院側からしても戒名のランクを落とす檀家がいたら忽ち収入が減ってしまうのですから、何としてでも落としてはいけないとあの手この手で説得しようとします。
立派な人だったのですから、せめてこれまでと同じにしておかないと、ふさわしくないですよ。
参列した人に対してお葬式のお金をケチったと思われますよ。
戒名は一度付けたら永遠に残りますから、後悔しないようにしておかないと…
などの言葉で説得されるのです。
最後は自分で決める事
例えばお金が無いのに無理をする必要はありませんし、更にはわざと落とす必要も無いとは思いますが、一度落とした戒名であっても、お金が出来た時にまた上げるということも可能な訳ですから、そんなに深く悩む必要は無いと思います。