神通力とは

神通力とは

神通力とは神が持っている特殊な能力のことで、仏教や修験道などの修行によって神に近づいてくると得られる様々な特殊能力でもあります。

六神通について

六神通とは仏教に於ける菩薩如来が身に付けている超人的な能力のことで、仏教の止観と言われる瞑想修行を深めていけば、禅定の段階の次の観行の段階で得られる六つの能力のことで、神足通(じんそくつう)、天耳通(てんにつう)、他心通(たしんつう)、宿命通(しゅくみょうつう)、天眼通(てんげんつう)、漏尽通(ろじんつう)のことです。

神足通とは

神足通(じんそくつう)とは自由自在に行きたい所に飛行したり瞬時に移動出来る能力で、山や壁、建物などもすり抜けていきます。

死後に死者の体から魂が離れた時に経験する幽体離脱も同じことを経験します。

天耳通とは

天耳通(てんにつう)とはどんなに遠い所の音でも聞き分けることが出来る能力のことで、神と人の声を聞くことが出来る。

他心通とは

他心通(たしんつう)とは他人の心の中を全て読み取ることが出来る能力のことで、本心を見抜くので嘘をつこうとしても分かってしまう。

宿命通とは

宿命通(しゅくみょうつう)とは自分や他人の過去世のことまで全て分かってしまう能力のこと。

天眼通とは

天眼通(てんげんつう)とは一切衆生の生死や輪廻転生の姿が全て分かる能力のこと。

漏尽通とは

漏尽通(ろじんつう)とは煩悩を全て消滅させて今後に於いて迷いの世界に戻ることの無いことを悟る能力のこと。

神通力は競うものではない

釈迦の時代には様々な宗教が林立し、難行苦行が当たり前のように行われて、それに伴う神通力を競うことで宗教の優劣を判断するような時代でもありました。

釈迦も多くの有名な行者を訪ねて教えを乞いますが満足できる教えに出会うことはありませんでした。

神通力は自然に身に付く仏としての能力であって、競うものではありません。

釈迦は死後の世界や神通力などに関して多くは語ることなく、修行に励むよう説いていますが、神通力と言うものは本来、神として自然に身に付いていることなのですから、自慢するようなものではありません。

神通力を自慢するような行者や霊能者は修行が足りていなくて欲深く、時折問題や事件を起こしていますが、ありとあらゆる方法を尽くしてもダメだった時に、人間の能力を超えた能力を持っている人に頼んでみようという気にもなるものです。

くれぐれも欲の塊の霊能者には騙されないようにして頂きたいものです。