四度加行とは

四度加行とは

四度加行とは密教に入門した者が伝法灌頂を受けて阿闍梨になるのに必要な四段階の修行のこと。

四段階の修行とは

四度加行のイラスト

四度加行は次の四段階の修行によって成り立ちます。

  1. 十八道法
  2. 金剛界法
  3. 胎蔵界法
  4. 護摩の法

十八道法とは

私達の世界から仏の世界には簡単に行くことが出来ませんが、仏の世界からはどの世界にも自由に行き来出来ますから、私達の世界に来ることは可能です。

仏の任務は衆生の救済であり全ての衆生を救い上げることで、私達の世界では寺院などで仏をお祀りして仏の世界と何時でも繋がるようにしているのですが、無条件に来てくれる訳ではありません。

仏を迎えるには作法が決まっていて、その作法を順を追って十八通りに分類して組み立てたのが十八道なのです。

1~5 荘厳行者法…心身を清めて邪念が入らないようにする護身法(ごしんほう)

6~7 結界法…地盤を固めて堅固な地盤とし、柵を設置して聖なる領域を作る

8~9 道場荘厳法…道場の飾り付けをする

10~12 勧請法…仏の世界から本尊を道場に迎え入れる

13~15 結護法…道場の最終調整で、魔を除き、網を張り、柵に点火

16~18 供養法…蓮華座に座して頂き、様々な供養をする

金剛界法とは

金剛界曼荼羅

金剛界法とは金剛頂経による修行方法で、金剛界大日如来を本尊として金剛界曼荼羅の諸尊を供養する方法です。

胎蔵界法とは

胎蔵界曼荼羅

胎蔵界法とは大日経による修行方法で、胎蔵界大日如来を本尊として胎蔵界曼荼羅の諸尊を供養する方法です。

護摩の法とは

護摩供養

護摩の語源はサンスクリット語のホーマ(homa)で、供物、供物をささげる、いけにえなどの意味があります。

護摩はインドで紀元前1000年頃に成立したヴェーダ聖典に出ているバラモン教の儀式であり、古代ペルシャ発祥の宗教であるゾロアスター教は拝火教と言われて、護摩を焚いて火の神を供養していました。

火そのものが神として礼拝されるので、火を焚いてその中に供物を投げ入れて供え、諸悪を断ち浄めることが護摩の起源だったのです。

仏教に最初に護摩が取り入れられたのは密教で、ヒンドゥー教の影響と言われていますが、密教の思想で成立していますので、今でも護摩を行っているのは真言密教天台宗、チベット密教などの密教系の寺院で行われています。

密教で護摩を焚くことが出来るのは、得度受戒、四度加行、伝法灌頂を済ませた僧です。

加行の日数と場所

高野山大学では春休みと夏休みの期間を利用して2月下旬から3月下旬までの春期加行(50日間)と8月上旬から9月中旬までの夏季加行(50日間)の合計100日間で行われます。

十八道法、金剛界法、胎蔵界法、護摩の法にはそれぞれ前段階に当たる前行と本来の行である正行の部分があって、前行の部分が加行のことですから、四度加行は伝法者となるのに必要な前段階の修行を基礎として身に付けて、後は自身の一生の修行として取り組むのです。

高野山では真別処円通律寺、専修学院にても四度加行を受けることが出来ます。