不空三蔵とは

不空三蔵

不空三蔵は金剛智三蔵より真言の法を授かった僧で、西域生まれでインド、スリランカから経典を持ち帰り多くの経典を翻訳した伝持の第四祖、付法の第六祖になります。

不空三蔵の経歴

西域に生まれて幼少期から長安の都で仏門に入り、二十五年間金剛智三蔵の弟子として仕えました。

その後インドとスリランカに渡って法を学んで多くの経典を持ち帰り、帰国後には経典の翻訳に勤め、玄宗皇帝を始めとした三代の皇帝に灌頂を授けたことから三代の国師と仰がれています。

70歳で入寂してからは皇帝から大広智(だいこうち)の称号を賜りました。

密教の国教化

語学に堪能な不空三蔵は「金剛頂経」を漢語に翻訳して大興善寺(だいこうぜんじ)に灌頂道場を開いて密教を国を護る国教にしたのです。

不空三蔵の姿

金剛智三蔵は八祖として描かれる時には合掌していますが、「外縛印(げばくいん)」を組んでいます。

外縛印は人が亡くなった時に胸の前で組む印で、合掌を更に堅固にするための印です。

三蔵とは

三蔵とは仏教に於ける経蔵、律蔵、論蔵の経典のことであり、これらの経典を知り尽くした者のことを三蔵または三蔵法師と呼びます。

不空三蔵は法を求める旅をしてインド、スリランカから多くの経典を持ち帰り、更に翻訳に励みました。

大日如来から直弟子の金剛薩埵に示された真言の法は神々の世界から人間の世界に降りてきて、真言宗の伝持の八祖の中でも龍猛菩薩が最初に法を受け、次に法を受けた龍智菩薩から金剛智三蔵、そして不空三蔵へと伝わったのです。