百度詣りとは
百度参りとは寺社の入り口にある「百度石」と本殿との間を百回往復して祈願する方法で、普通のお参りの方法ではなく、どうしても叶えて欲しい願い事がある時に行う修行としてのお参りの仕方です。
百度詣りの歴史
「吾妻鏡」によれば鎌倉時代には百度詣りの習慣があったことが窺え、文治5年(1189)8月10日、奥州追討の祈祷のために、御台所御所中の女房数輩に対して鶴ヶ岡に百度参りをさせたとあり、また、仁治2年(1241)7月6日、北条氏が鶴ヶ岡に百度願をしたとの記載があります。
当時は反乱征伐や戦勝などを神仏に祈願するのに自らの士気を高めるための行として行われるようなことがあったのです。
百度詣りの目的
百度詣りは一つの寺社だけに参拝することが大きな特徴で、霊場巡りのように複数の寺社に順を追って参拝する方法ではありません。
寺社には本尊が祀られていて、その本尊の役割や御利益はそれぞれ皆違いますので、自分の叶えて欲しい願い事を叶えてくれる特定の御利益がある寺社に限定して通い詰めることにより、神仏の加護を得るという方法なのです。
神仏に願い事をするのに、たくさんの神仏に対して願い事をするよりは、一つの神仏に限定して集中して祈願して、その真剣さが伝わって気に入ってもらえば、強大な御利益が得られるのです。
その真剣さを表すために裸足で百度詣りする方も居られます。
百度詣りの仕方
寺社の入り口にある「百度石」と本殿との間を百回往復して祈願する方法です。
衣服は白装束に杖傘、手甲脚絆の姿で霊場巡りの姿が正式なようですが、普通の服装でも構いません。
より厳しい修行を望むのなら厳寒時に裸足で参拝します。
まずは入り口の水場で身口意を清めます。
寺社の入り口にある「百度石」から始まって本殿前に行き礼拝し、般若心経、本尊真言などを唱えます。
本殿で礼拝した後、寺社の入り口の「百度石」に向かい、「百度石」の周りを回ってから再び本殿に向かうことを百回繰り返します。
百度詣りの効果
神仏にすがりたい時には、頼む方もそれなりの努力が必要です。
神仏に嫌われるのは
- たくさんの神仏に片っ端から祈願する
- 一回だけ頼んですぐに忘れる
- 自ら努力しない
その反対に神仏に好かれる方法としては
- 一つの神を何時までも信仰する
- 毎日礼拝祈願する
- 自ら努力する
このように神仏にも気に入ってもらわないと何時まで経っても祈願が達成しません。
百度詣りは一つの神仏に対してとことんお参りする方法で、強引な祈願の方法なのですが、祈願だけを目的としたら叶わないかもしれません。
むしろ自らの行として果たす修行だという気持ちが大切で、その真摯な姿を神仏が見て認めて下さって始めて願い事が叶うのです。
その姿勢が真剣であればある程神仏が認めて下さる可能性が高くなるのです。
百度詣りはやれば必ず願いが叶うというような単純なものではありません。
叶えてもらうために行う修行が百度詣りなのです。