仏壇には特に昔のタイプの仏壇では雨戸と障子と言われる扉が付いていて、2重の扉になっています。
そもそも扉が付いている以上、開けたり閉めたりするためのものですが、毎日開け閉めするものでしょうか、それとも開けっ放し、閉めっぱなしで良いのでしょうか。
目次
仏壇とは
仏壇は仏を礼拝するための祭壇であり、浄土としての仏の世界の荘厳を表現した中に信仰の対象としての本尊と亡き人のお位牌をお祀りするものです。
仏壇の扉について
仏壇の扉には雨戸と障子が付いていて、普通の家にも雨戸と障子は付いていることが多いのですが、そもそも雨戸は一番外側に付いていて雨風を防ぐためのもので、障子はガラス窓の中に付いていて外の世界の景色を遮断すると共に外からの光を和らげるためのものです。
仏壇の雨戸の役割
寺院は本来、仏の世界の中に存在する本尊を表現した礼拝施設であり、寺院の役割を小さくして家庭でも礼拝できるようにしたものが仏壇なのです。
寺院には山門があって外敵から寺を守って雨風を防ぐ役割を果たしますが、その山門が仏壇では雨戸になっていて、実際には雨風を防ぐ訳ではありませんが、山門と同じ役割を果たします。
仏壇の障子の役割
寺院の本堂の内陣には須弥壇と言って宇宙の中心にそびえる須弥山上の宮殿に本尊をお祀りするのですが、内陣の入り口には巻障子があって、外の世界の喧騒を遮断するようになっていて、その障子を模したものが仏壇の障子なのです。
仏壇に何をお祀りするか
仏壇には本尊と位牌をお祀りすることが一般的で、人によっては位牌をお祀りする祭壇だと思っている方が多いのですが、仏壇の本来の目的は何でしょうか。
仏壇とは仏の祭壇である
仏壇とは文字通り仏の祭壇で、自分の宗旨宗派の仏教や信仰する神仏をお祀りする祭壇というのが本来の目的です。
須弥壇とは
仏教の発祥の地インドでは世界の中心には大海の中に大きな山があってスメール山(sumeru)と呼び、上の方には神々が住んでいるとして崇められていました。
仏教の三千大千世界と言われるたくさんの世界の中に須弥山があるのです。
このスメール山は仏教が中国から日本に伝わってくる過程で須弥山となりました。
仏壇のことを寺院では須弥壇と言いますが、一般的な家庭用の仏壇も須弥壇を模して作ってあるのです。
仏壇と位牌の関係
仏壇は仏をお祀りするための祭壇ですが、仏壇がある家では必ず位牌が共にお祀りされているのは何故でしょうか。
それは仏教が古来よりの我が国の先祖供養を取り入れて融合し、僧侶が先祖供養をするようになったからです。
元々お釈迦様の教えには先祖供養の教えはありませんし、亡くなった人は自分の生前の行いに応じて生まれ変わり死に変わりするのですから先祖を供養することに何の意味も無いはずです。
しかし日本の仏教は先祖供養を自らの教義に結び付けることによって現代まで生き残ってきたわけですから、仏教と先祖祭りの融合で御本尊の横に亡き人の位牌を置くようになったのです。
御本尊は私達と亡き人を導くために中心にお祀りし、亡き人の位牌は御本尊の両脇にお祀りすることによって、私達は御本尊と亡き人の両方に護ってもらうという考えなのです。
位牌について詳しく…位牌とは
仏壇の扉の開け閉め
仏壇の扉は開けておくもの、それとも閉まっておくもの?仏壇を買った時に説明書は無かったと思うのですが、仏壇の開け閉めに決まりがあるのでしょうか?
仏壇の扉の決まりは
仏壇の扉の開け閉めに関しては決まりごとはありません。
決まりごとはありませんが、人によってやり方が違うので、どのような方法があるのかをご紹介致します。
朝に扉を開けて夜に閉める
年配の方で朝になれば新しいお花と炊き立ての誰も箸をつけていないご飯と熱いお茶を毎日御給仕しているような方でしたら、朝になって扉を開けて御給仕をしてからお勤めをし、しばらく時間が経ったら仏飯と茶湯を下げ、夜になったら感謝のお勤めをして扉を閉める、とても信心深い方の場合には扉の開け閉めは苦になりません。
また扉は常に開けておいて、障子のみを開け閉めすることもあります。
いずれにせよ毎日開け閉めするのですから仏壇の中は常に綺麗に片付けていなければ開け閉めする度に物が落ちたり引っかかったりしますので、毎日開け閉めする方に共通して言えることは、仏壇が常に綺麗であることです。
常に開けっ放し
物理的に開け閉めが困難な場合や、或いは仏壇は親の代から常に開けていたという環境で育った方は常に仏壇の扉や障子は開けたままにしています。
仏様やご先祖様は一日中見守って下さっているのだから開けておくという考えもあり、ズボラだから常に開けているということでもなさそうです。
しかし誰も拝むことの無くなった仏壇は大抵開けっ放しになっているもので、枯れた花や途中で消えた線香がそのまま放置されているような場合にはなるべく早く掃除するか閉眼供養した方が良さそうです。
常に開けっ放しの場合には埃を被りやすいので、こまめに掃除することが大切です。
長期の外出、旅行時は
長期の外出や旅行の時でも、家と家族を守って頂くために仏壇は開けておき、出かける前には腐ってしまうようなお花や供物は下げてから最後に旅行の安全を願ってから出かけましょう。
無事に帰った来た時には供物などを新しい物にしてから、感謝の気持ちを込めてお勤めしましょう。
身内に不幸があった場合
身内に不幸があった場合には神道は死を忌み嫌いますので、神棚に半紙を貼って封印し50日間は神社への参拝も慎みますが仏教には死を忌み嫌うことがありませんので、仏壇はそのままで結構です。
仏壇を買った時
仏壇を買った時にはまず扉を開けるのは当然ですが、宗旨宗派に沿った荘厳を施して御本尊や位牌を全て揃えてから僧侶に開眼供養してもらいます。
仏壇の開眼供養は…仏壇の開眼供養について
開眼供養とは仏壇及び御本尊、位牌などに魂を入れる儀式であり、魂が入ることで仏の祭壇としての機能が始まります。
仏壇を閉めるとき
故郷の両親が亡くなって家を壊すので仏壇が不要になった時などは仏壇を閉眼供養してからお焚き上げ供養するのが正しい方法です。
毎日信仰の対象として大切にされてきたものですから、くれぐれも普通のゴミとして捨ててしまってはいけません。
最後には感謝の気持ちでお送り致しましょう。
やすらか庵のお焚き上げ供養なら仏壇の中に金属などを含む仏具が入っていても構いませんし、本尊、掛け軸、位牌などが何体あっても同一料金で、閉眼供養とお焚き上げ供養の両方を正しく丁寧に行ってくれます。
安易に捨ててはいけません…仏壇、神棚お焚き上げ供養