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毘沙門天と虎
虎は毘沙門天の使いとして一晩で千里の道を走ると言われ、毘沙門天の代わりに人々の願いを聞いて回るそうです。
毘沙門天で有名な寺院には必ずと言っていいほど虎もお祀りされていますが、毘沙門天と虎との関係は意外と古く、動物の虎だけでなく干支の寅としてもまた信仰の対象になっているのですが、その関係について考察してみます。
2022年は寅年です…2022年は寅年毘沙門天の力が最大の年
毘沙門天で開運を…毘沙門天開運法
虎の由来
聖徳太子の時代に我が国に入ってきた仏教は、賛成派の蘇我氏と反対派の物部氏との戦いとなり、戦勝を祈願した聖徳太子に毘沙門天が戦勝の秘宝を授け、勝利した聖徳太子は「信ずべし貴ぶべき山」として信貴山と名付けて、毘沙門天王を祀られたという縁起がありますが、聖徳太子に毘沙門天が戦勝の秘宝を授けた時が寅年、寅の日、寅の刻だったという伝承があります。
また、鑑真和上の高弟・鑑禎上人が霊夢で白馬に導かれてれて鞍馬山に登り、鬼女に襲われたところを毘沙門天に助けられたのが寅の月、寅の日、寅の刻だった。そこで鑑禎上人は草庵を結び、毘沙門天を祀ったという伝承があります。
困った時に毘沙門天が現れた時が寅に関する日時だったことから、毘沙門天は寅の日時に現れてくれるという信仰が広まったのです。
更には予め分かっている寅の日時を利用すれば、毘沙門天の力が頂けるという信仰も広まっていったのです。
暦では十二進法として子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥(ね・うし・とら・う・たつ・み・うま・ひつじ・さる・とり・いぬ・い)の12の干支が割り当てられ、寅の年、虎の月、寅の日、寅の刻などが暦の中にありますが、干支の中での子から始まって3番目の寅は、動物の虎を表しています。
虎は強さの象徴
虎はアジア特産のねこ科の猛獣で、体の上部は黄色の地に黒い横じまがあり、腹部は白い。口が大きく、つめは鋭く性質はきわめて荒い動物です。
世界的に見ますと百獣の王はライオンですが、中国では百獣の王といえば虎であり、獰猛な野獣としての虎は古くから武勇や王者のイメージとして捉えられ、魔除けや山の神として崇拝された歴史があります。
日本に野生の虎は居ない
『猛虎図』(部分)円山応挙 個人蔵
我が国には野生の虎は存在しませんので、当然虎を見たという人も居ることなく、身近な動物ではありませんでしたが、珍しい動物ということで江戸時代には毛皮は輸入されていたようです。
江戸時代中期に京都で活躍した丸山応挙は毛皮を元に想像で書いた虎は眼と口がとても大きく、何となく猫のような感じがしますが、近くに居る猫も参考にして描いたのかもしれません。
毘沙門天の使いとして
毘沙門天は私達のすぐ近くで仏法守護のため、福徳施与のためにと走り回り、民衆の多くの要望に応えるには使いが必要で、その使いとして足が速くて力の強い虎が選ばれたのです。
毘沙門天は鎧兜に身を包んで戦いの神としても有名ですが、戦いに勝つための強さという意味では虎は最強であり、虎という動物は最強の動物として選ばれるべくして選ばれたのだと思います。
毘沙門天の縁日は
毘沙門天の縁日は寅の日であり、良く願い事が叶う日であり、最強の日は寅の年の寅の月、寅の日です。
寅の日に毘沙門天を祀る寺院にお参りすれば、寅の日詣でと言って、とても大きな力が頂けます。
何か大切なことを始めるのに寅の日を選べばとても良いスタートになります。
次の寅の年は2022年で、運気が上昇する年になります。
端午の節句と虎
主に関西地方では端午の節句の時に五月人形と虎の置物を一緒に飾って祝う習慣があります。
男の子の元気な成長を願う
虎は力強さの象徴であり、男の子の元気で健やかな成長を願い、たくましく育って欲しいという願いから五月の端午の節句の時に、兜と共に虎の張り子を一緒に飾る地域があります。
虎の張り子は紙で出来ていて子供と同じくらいの大きさがあり、子供が上に乗っても壊れないほど丈夫に出来ていて、首の部分が動くようになっていますので、一回揺らせば結構長く動き続けます。
張り子の虎は香川県の伝統工芸品で、木の型に紙を貼り付けて乾かし、型を抜いてから色付けした工芸品で、胴体と頭が別々に作られて、首は胴体の前の上部に吊るすようになっていて、首振りが出来ることが大きな特徴です。
手のひらに乗る小さなサイズのお土産用から、子供が乗っても大丈夫なほど大きい物までいろんなサイズのものが作られています。
張り子の虎が首を振る訳
張り子の虎は必ず口を開けて吠えていることから、吠える事で魔を寄せ付けないのではないかと思われます。
張り子の虎の首をポンと叩けば首が右に左にいつまでも動くことから、あちこちに睨(にら)みを利かせて吠え続けることで厄を払っているのです。
虎と寅で運気を上げる
毘沙門天の使いである虎で運気を上げるには、虎の置物を置くことと、寅の日を活用する方法などがあります。
毘沙門天の御札をお祀りすれば更に開運間違いなしです。
毘沙門天の御札をお祀りする
虎は毘沙門天の御使いですが、御本尊としては毘沙門天ですから、毘沙門天と虎をお祀りすれば最強で、もちろん虎だけを宗教に関係なくお祀りしても構いません。
毘沙門天の御札は毘沙門天をお祀りしている寺院で頂くことが出来ます。
やすらか庵でも祈願済みの毘沙門天の御札が500円で郵送致しますので活用して下さい。
2022年寅年「新春開運特別祈願」御札送ります500円申込み
御札は一年間お祀りしたら頂いた寺社にお礼を添えてお返しするかお焚き上げ供養を利用しましょう。
引っ越ししたので御札を返却出来ない、何処で頂いた御札か分からない、などの場合には
を使えば便利です。
毘沙門天の御札は南か東向きに貼って傍に虎の置物を置けば運気が上昇します。
毘沙門天は神様として礼拝した方が運気が上がりますので、毎日パンパンと拍掌して礼拝して下さい。
虎の置物を置く
毘沙門天の仏像は邪鬼を踏んでいたり地天に支えられていることはありますが、虎と一緒の仏像は見かけることがありません。
毘沙門天の傍に虎をお祀りすることが多いようです。
虎の置物や虎の掛け軸、虎の絵画は運気を上げるのにとても役に立ちます。礼拝の対象でなくても構いませんので、毘沙門天を祀る傍に置いても良し、部屋のインテリア程度に置いても良いです。
掛け軸でしたら床の間か居間などに南か東向きに、置物でしたらなるべく明るい所に置きましょう。
虎だけを礼拝する必要はありませんが、毘沙門天と共にお祀りすれば効果があるということです。
寅の日を活用
12日に1回廻って来る寅の日は毘沙門天の縁日で、昔から願い事が叶いやすい日であると言われています。
会社を起業する時、新しい事業を始める時、旅行、引っ越しなどの時に寅の日を選べば、何事も意外とうまくいくものです。
寅の日に財布を新しくすると金運が良くなると昔から言われています。
財布はお金の入れ物という単純なものではなくて、本来は神仏から頂いた御札(おふだ)を入れる尊い入れ物という認識を持った人はお金を大切にしますし、お金の増やし方を知っているのです。
古くなった財布はゴミ箱に捨てるのではなくて、お焚き上げ供養を利用することによって、神仏への感謝の気持ちが伝わり、結果としてお金が増えることに繋がるのです。
[2021年、2022年寅の日カレンダーあり]…寅の日とは
更に良く願い事が叶う日は月初めの寅の日、最高に良い日は年始の初寅の日です。
「寅詣で」(とらもうで)と言いまして、12日に一回の寅の日に毘沙門天をお祀りする寺院に参拝すれば願い事が良く叶います。
毘沙門天をお祀りする寺院では年始の初寅の日に「初寅大祭」を実施する所が多くあります。
初寅は一年の中で最も良く願い事が叶う日だと言われ、多くの参拝の人で賑わいます。